ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2020年12月30日水曜日

今年もお世話になりました!




 くわのみ書房の今年の営業は12月30日(水)で終了いたします。今年もたいへんお世話になりました。支えてくださったみなさまに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 今年は新型コロナウイルスの感染拡大という思わぬ事態が発生し、社会に大きな混乱をもたらしました。まだ事態収束は見通せない状況が続きます。みなさま、お身体大切にお過ごしください。

 来年の営業は1月5日(火)から始めます。どうぞよいお年をお迎えください。(店主)

イベント中止のお知らせ




 習志野高校吹奏楽部のトークイベントとミニコンサートが中止になりました。2021年1月9日にプラッツ習志野市民ホールで「習志野高校吹奏楽部 青春シンフォニー 見つけよう!私たちが輝く夢舞台」として開催準備が進められていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、中止することが決定しました。「美爆音! ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち」(岩崎書店)の出版記念のイベントです。現在、日程の延期について検討中とのことです。詳しい情報はプラッツ習志野のウェブサイト(https://narashino-future.jp)をご覧ください。(店主)

【本の紹介】シェルパのポルパ エベレストにのぼる




  世界で一番高い山がヒマラヤ山脈にあるエベレストです。この絵本はヒマラヤのふもとに暮らす一人のシェルパの物語です。

 実は、「シェルパ」という言葉には2つの意味があります。もともとはネパールの山岳に暮らす少数民族のシェルパ族を指す言葉です。シェルパ族の中にはヒマラヤの山々を案内することを仕事にしている人がいます。これらの案内人もシェルパと呼ばれ、今ではシャルパといえば山岳ガイドをイメージする人が多いと思います。

 シェルパ族の中で生まれ育ったポルパの夢はヒマラヤの山々に登ることです。そのため荷物運びの仕事をしています。エベレストまでの道のりも知っていますが、ポルパが行けるのは氷河の入り口まで。そこから先に進むには、道具や特別な技術が必要になります。ポルパはいつかエベレストに行くことを願っていました。

 とうとうポルパに、エベレストに登れるチャンスが訪れます。ポルパと一緒にエベレストを目指しましょう。素晴らしい世界がみんなを待っています。(店主)


シェルパのポルパ エベレストにのぼる

石川直樹・文

梨木羊・絵


岩波書店

2020年5月28日発行

本体1800円+税

2020年12月29日火曜日

【お知らせ】年末年始は休業します!




 くわのみ書房は、年末年始はお休みをいただきます。これまで年末年始も営業しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況を見据え、お休みをいただくことにしました。また年末に営業時間を変更します。年末年始の営業日・営業時間の変更は以下の通りです。


12月29日(火) 午前11時~午後3時

12月30日(水) 午前11時~午後3時

12月31日(木) 休業


1月1日(金) 休業

1月2日(土) 休業

1月3日(日) 定休日

1月4日(月) 定休日

2020年12月25日金曜日

【本の紹介】Mou




 深い余韻を残して物語が終わります。けれど、この絵本の物語は決して終わることなく、永遠に続いていくようです。幻想的な絵が私たちを魅了します。

 森の中の家でおじいさんと暮らすトットは、扉を「とんとん」と叩く小さな音で目を覚まします。扉を開けると奇妙な生き物が雪の中に立っていました。家の中に入った奇妙な生き物はむにゃむにゃと声を発します。名前を聞くと「ムー」と応えたような気がしました。

 翌朝、ムーはトットを外に誘います。森の奥まで雪道を行くと、トットは見たこともない大きな生き物に囲まれます。多くの流れ星が落ちて、そこから同じような生き物が出てきました。生き物たちが星のかけらでつくったスープは、トットの足の痛みを消してくれました。身体の弱ったおじいさんのため、トットはこのスープを持ち帰ろうとします。でも、家を目前にトットは転び、スープは雪にとけて見えなくなってしまいました。

 悲嘆にくれるトットの前に、スープを手にしたムーが現れます。スープを飲んだおじいさんはすっかり元気を取り戻したようです。それ以来、トットがムーと会うことはありませんでした。やがてトットは森の家を離れますが、あの日のことは忘れませんでした。長い時間が経ち、トットがこの物語を書くため、森の家に戻ってきました。そのとき、扉を「とんとん」と叩く小さな音が…。(店主)


Mou

作・絵 Naffy


学研プラス

2020年3月3日発行

本体2000円+税

2020年12月24日木曜日

【本の紹介】クリスマスの小屋




 アイルランドの昔話です。人々の深い悲しみが描かれる一方、妖精が登場して私たちに希望をもたらします。色彩豊かな挿し絵と一緒にお楽しみください。

 百年か、それよりももっと昔のこと。アイルランドの村で生まれたばかりの赤ん坊が一軒の小屋の戸口の前に置き去りされました。小屋に暮らす夫婦に育てられた赤ん坊はオーナと名付けられ、美しく気立のよい娘に育ちます。でも、オーナはもともと流れ者の娘。オーナと結婚したいと思う若者は現れず、オーナが家族を持つことはありませんでした。

 一人ぼっちのオーナは、人から求められるまま小屋から小屋へと移り住む生活を続け、多くの人に尽くし、愛されながら年老いていきました。アイルランドが大凶作に見舞われた年、オーナは居場所を無くし、村を離れます。沼地のしげみで休むオーナのもとに現れたのは妖精たちでした。その夜はクリスマス・イブ。妖精たちはオーナに、望み通りの小屋を用意します。

 オーナの小屋は今でも残っているそうです。そして、雪の歩降り積もるホワイト・クリスマスの夜には孤独なものや迷えるもの、嘆き悲しむものが訪れ、オーナのおもてなしを受けているのです。世界中のすべての人に、楽しいクリスマス・イブが訪れますように!(店主)


クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし

ルース・ソーヤー 再話

上條由美子 訳

岸野依里子 画


福音館書店

2020年10月15日発行

本体1500円+税

2020年12月23日水曜日

【本の紹介】あ




 斬新なアイデアでつくられた絵本です。文字が主役を務めます。

 今回の主役は「あ」。一人ぼっちで寂しそうな「あ」がいました。遠くから「お」がやってきます。「あ」と「お」が並んで「あお」になりました。あおといえば「あおぞらだー!」。文字が2つ並ぶと景色が見えてきます。

 不思議な小人も活躍します。いつも「あ」と一緒です。ほかの文字と一緒に並ぶのを助けてくれます。名前は “かなちゃん” というらしい。かなちゃんが「あ」の気持ちを代弁してくれているようです。

 「あ」ともう一つの文字でいろいろな言葉ができます。「あか」「あし」「あさ」いった具合。世界がどんどん広がります。「あ」は一人ぼっちではありません。(店主)


谷川俊太郎・文

広瀬弦・絵


アリス館

2020年9月1日発行

本体1200円+税

2020年12月22日火曜日

【本の紹介】なまえのないねこ




 ねこがお話する絵本です。どうぞ耳を傾けてみてください。

 主人公のねこは、名前のないねこ。野良ねこです。街の家ねこたちは、みんな名前を持っています。名前のないねこは、とてもうらやましいと思いました。すると、お寺のねこのじゅげむがいいました。「じぶんでつければいいじゃない」。

 名前のないねこは、自分の名前を探し始めます。でも、すてきな名前はなかなか見つかりません。雨も降ってきました。ねこの心の中は雨の音でいっぱいになりました。でも、やがてねこに待ち望んでいた出会いが訪れます。そして、本当に自分が欲しかったものは何か気がつきます。

 ねこと一緒に、幸せを探す旅に出ましょう。ねこたちの表情は文章に書かれていない何かを語りかけ、私たちを惹きつけます。(店主)


なまえのないねこ

竹下文子 文

町田尚子 絵


小峰書店

2019年4月25日l発行

本体1500円+税

2020年12月19日土曜日

【本の紹介】おんなじ だあれ?




 細密画の動物たちの生き生きとした姿に目を奪われます。写実的に描かれたリアルな動物たちがやさしく語りかけてくような不思議な感覚があります。

 仕掛け絵本です。2つの穴から動物たちの一部が見えています。どんな動物が隠れているのか、当てっこをして楽しみます。

 2つの動物たちの似ているところから全体像を想像します。意外な組み合わせに、びっくりしたり、納得したりして、とても面白い。

 それぞれ違う動物たちが同じところを見つけて喜んでいます。最後のページで「だれかと おんなじ うれしいね」。私たち人間も、誰かと共通するところを見つけるとうれしくなります。人間と動物も、おんなじ、ですね。(店主)


おんなじ だあれ?

しもかわらゆみ


あかね書房

2020年3月発行

本体1300円+税

2020年12月18日金曜日

【本の紹介】ピーターラビットのふるさとをまもりたい




 いたずらうさぎのピーターラビットは世界中で親しまれている絵本の主人公です。絵本作家のビアトリクス・ポターによって生み出されました。この絵本はポターの生涯を描く伝記絵本です。テンポよく読むことができる文章にのびのびと描かれた絵がマッチし、絵本の世界にスムーズに入ることができます。

 ビアトリクス・ポターは19世紀のイギリスで生まれ、裕福な家庭で育ちました。当時の上流階級の女の人は、大学に行ったり仕事をしたりすることはありませんでした。つまり、家庭外と関わりを持つことははほとんど無かったのです。

 でも、ビアトリクス・ポターは外の世界とつながりを求めることをあきらめませんでした。ペットのうさぎの絵を描き、それを出版社に送りました。ポターを男の人と思った出版社から絵の依頼を受け、お金を稼げるようになります。そのお金でポターは子うさぎのピーターを主人公にした絵本をつくります。「ピーターラビットのおはなし」です。ピーターラビットの絵はおもちゃやゲーム、ティーカップなどにも使われ、ビジネスとして大成功を収めます。

 やがてビアトリクス・ポターは自然を守ることに心を砕くようになります。ポターが子どものころに夏を過ごした田舎は、ピーターラビットのふるさとでもあったのです。ポターは多くの農場や土地を手に入れ、それらが永遠に保護され、大事にされるようにナショナルトラストという団体に寄付しました。ポターや広大な土地を守り続けている人たちのおかげで、イギリスの湖水地方は今でもその美しい風景を保っているのです。(店主)


ピーターラビットのふるさとをまもりたい

リンダ・エロビッツ・マーシャル 文

イラリア・アービナティ 絵

おびかゆうこ 訳


廣済堂あかつき

2020年11月30日発行

本体1600円+税

2020年12月17日木曜日

【本の紹介】ジュリアンはマーメイド




 自分の心の赴くままに行動する男の子を描いた絵本です。この男の子の名前はジュリアン。ジュリアンはマーメイドが大好きです。

 ジュリアンはおばあちゃんとプールに行きました。その帰りの電車に、マーメイドの姿をしたおねえさんたちが乗り込んできました。ジュリアンはおねえさんたちを見て「きれいだなあ」とつやきます。

 水の中で泳ぐと、心がとても解放された気分になります。プールで泳いできたジュリアンも、きっと心が自由になっていたのでしょう。電車の中で自分がマーメイドになった夢を見ます。そして、家に帰るとおばあちゃんに「ぼくもマーメイドなんだ」と告げます。

 LGBTQを描くことも、この絵本のテーマでしょう。ジュリアンの気持ちを素直に受け止めるおばあちゃんが素敵です。最後はマーメイドたちのパレードの場面。ジュリアンもおばあちゃんもとても楽しそうです。おしゃれに仕上げられた絵も魅力的な絵本です。(店主)


ジュリアンはマーメイド

ジェシカ・ラブ 作

横山和江 訳


サウザンブックス社

2020年5月30日発行

本体1800円+税

2020年12月16日水曜日

新しいショップカードができあがりました!




 くわのみ書房の新しいショップカードが届きました。木とこどものくらし研究所の上原理恵さんにすべてお任せで制作をお願いし、すてきなカードができあがりました。

 大好評のくわのみ書房オリジナル絵本トートバッグで使用したイラストをあしらい、シンプルであたたかみのあるカードをつくっていただきました。誰よりも店主が喜んでおります(^^)。(店主)

2020年12月15日火曜日

トークイベントとミニコンサートのご案内!




 習志野高校吹奏楽部を舞台に青春の夢を追い求める少年の姿を描いた「美爆音! ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち」(岩崎書店)のトークイベントが開催されます。習志野高校吹奏楽部のミニコンサートも併せて開催予定。習高吹部の青春ストーリーを美爆音と一緒に味わい尽くしましょう!

 会場は千葉県習志野市のプラッツ習志野市民ホール。2021年1月9日(土)の開催予定です。料金は1500円です。

 第1部のトークイベントには、本書著者のオザワ部長、習志野高校吹奏楽部顧問の石津谷治法さん、本書の主人公ハルカのモデルになった酒井悠歌さん、本書の編集制作に携わった岩崎書店編集者の山田裕子さんがパネリストとして登場。本書発刊までのエピソードをたっぷり聞くことができそうです。第2部はお待ちかねの習高吹部ミニコンサートです。美爆音の名を轟かせた野球応援メドレーなどを楽しみましょう。

 当日はくわのみ書房が出店して本書を販売します。コロナウイルス感染対策を講じたサイン会も予定されています。みなさまどうぞご参加ください!(店主)


習志野高校吹奏楽部 青春シンフォニー 見つけよう!私たちが輝く夢舞台

プラッツ習志野市民ホール

〒275-0012千葉県習志野市本大久保3-8-19 電話047-476-3213

2021年1月9日(土) 開場9:30 開演10:00

トークイベント&ミニコンサート ◆総合司会 渡部美香(MCナレーター)

第1部 トークイベント(10:00~11:00)

◆パネリスト

 オザワ部長(「美爆音! ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち」著者)

 石津谷治法(習志野高校吹奏楽部顧問)

 酒井悠歌(「美爆音! ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち」の主人公ハルカ少年のモデル)

 山田裕子(岩崎書店編集者)

◆コーディネーター

 大関妙(プラッツ習志野ファシリテーター)

第2部 ミニコンサート(11:20~12:00)

 習志野高校吹奏楽部

◆プログラム

 野球応援メドレー 他

◆料金1500円(全席自由・税込)

◆プレイガイド プラッツ習志野北館2階総合受付

2020年12月12日土曜日

【本の紹介】うれし たのし 江戸文様(たくさんのふしぎ2021年1月号)




 着物などをつくる布や、茶碗など毎日の生活に使う道具に描かれた模様を「文様」といいます。日本では江戸時代に文様文化が広がりました。この絵本は江戸文様を詳しく解説する力作です。

 江戸時代、武士以外の町人と呼ばれる商人や職人が多く街に住んでいました。生活にゆとりができた町人は自分たちのおしゃれを楽しむようになります。そして、町人のくらしに身近な題材をもとにして多くの文様がつくられるようになりました。

 絵本では江戸時代の1年間のくらしに沿って文様を解説しています。お正月、ひな祭り、花見、鯉のぼり、七夕など、季節ごとの行事と関係のある文様があります。チョウや菊、紅葉、雪など、季節の風景に関わる文様もあります。おならを題材にしたおもしろ文様もあります。文字だけの文様もあるそうです。当時、寺子屋で勉強していた子どもたちは文字の文様を読めたのです。

 作者の熊谷博人さんは本のデザインを仕事にする装丁家です。骨董市などを通じて、文様を染めるときに使う型紙や文様の見本帳を集めたそうです。熊谷さんは、文様から江戸時代の人々の暮らしぶりや風景が見えてくるといいます。文様に込められた人々の思いは、今の私たちにも引き継がれているのです。(店主)


うれし たのし 江戸文様(たくさんのふしぎ2021年1月号)

熊谷博人 文・絵


福音館書店

2021年1月1日発行

本体700円+税

2020年12月11日金曜日

【本の紹介】ゆきだ ゆきだ(こどものとも年中向き2021年1月号)




 表紙の雪だるまには輪郭線がありません。でも、私たちにはその形がはっきりと見えています。見えない線が見えてくるこの現象を「主観的輪郭」というそうです。

 この絵本は主観的輪郭を効果的に使っています。雪景色の白い世界で白い犬の「しろ」は景色に溶け込み、自由に世界を飛び回ります。私たちはその姿をはっきりと見ることができます。

 作者の中村至男さんは子どものころ、しろと同じような体験をしたことがあるそうです。真冬の多摩川沿いを自転車で走り抜けたとき、大きな景色の中で命が満たされていくような気持ちになったそうです。景色に溶け込み、世界と一体になった不思議な感覚は、大人になった今も中村さんの心に残っています。

 世界と一体化したしろは気分爽快。目がキラキラ輝いているようです。しろを通じて、私たちもその不思議な感覚を体験することができます。(店主)


ゆきだ ゆきだ(こどものとも年中向き2021年1月号)

中村至男 さく


福音館書店

2021年1月1日発行

本体400円+税

2020年12月10日木曜日

「ペペペ日めくりカレンダー 2021」、残部僅少です!





 大人気の「ペペペ日めくりカレンダー 2021」が残部僅少です。毎日1枚ずつめくる日めくりカレンダーです。渡邊知樹さんが描く「日々野家」の日常に誰もがにっこり。ほがらかに1日をスタートしましょう。千葉県内の取り扱い店舗はくわのみ書房だけ。店内在庫は残り1部です。手に入れるなら今しかない!(店主)


ペペペ日めくりカレンダー 2021 BOXセット

渡邊知樹

3400円(税込)

「クリスマス絵本」をそろえました!




 クリスマスの絵本をそろえました。絵本の読み聞かせの活動をされているユニット、《えほんの木》の宮本由佳理さんに選書と飾りつけをお願いしました。新刊の絵本も選んでいただきました。華やかなクリスマス絵本をみると心がウキウキしてきます。どうぞ店内でごゆっくり手に取ってご覧ください。(店主)

【本の紹介】ななくさ つんで -ななくさがゆを つくろう-(かがくのとも2021年1月号)




 七草粥について学べる絵本です。お正月の7日に七草粥を召し上がる方も多いと思います。

 七草粥は、「春の七草」と呼ばれる7種類の草が入ったお粥です。春の七草の名前を全部知っていますか。「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞななくさ」という和歌で覚えた人は多いと思います。

 今ではスーパーマーケットなどで買える七草ですが、昔は野に生えているものを摘んで集めました。この絵本でも、親子3人が七草を探しに出かけます。自宅の庭や近所の公園、そして田んぼや、田んぼの横を流れる小川で次々に見つけていきます。春の七草のほとけのざは、図鑑などでは「こおにたびらこ(たびらこ)」という名前で掲載されていて、私たちが通常ほとけのざと呼んでいる、紫色の花を咲かせる草とは別の草だそうです。

 すずなとすずしろは、野菜畑で手に入れました。実は、すずなは野菜の蕪であり、すずしろは大根のことです。これで全部揃いました。美味しい七草粥を作りましょう。寒い冬に力強く葉っぱを広げる草たちが私たちの体をたくましくしてくれます。(店主)


ななくさ つんで -ななくさがゆを つくろう-(かがくのとも2021年1月号)

かわしまようこ ぶん

辻川奈美 え


福音館書店

2021年1月1日発行

本体400円+税

2020年12月9日水曜日

【本の紹介】とりになりたかった こぐまのはなし




 素話(ストーリーテリング)で長く愛されてきたお話が絵本になりました。丁寧に描かれたさし絵が、お話の世界をいっそう広げています。

 こぐまは鳥になりたいと願っていました。自由に空を飛び回る鳥の姿に誰もがあこがれます。毎日鳥になりたいと考えてばかりいたこぐまは、とうとう自分で「ぼくは とりなんだ」と決めてしまいました。

 こぐまは鳥たちに「ぼくも とりなんだよ」と訴えます。でも、鳥たちからは一つひとつ違いを指摘され続けます。その度に、自分なりに解決策を探っていくこぐまが健気です。

 こぐまが鳥になれるはずはありません。やがてこぐまは自分自身を再発見していきます。この絵本を読む子どもたちも、そのプロセスに強く共感し、こぐまの成長を喜ぶと思います。このお話は「おはなしのろうそく23」(東京子ども図書館)に収載されています。(店主)


とりになりたかった こぐまのはなし

アデール・ド・レェーエフ 作

中尾幸 訳

アヤ井アキコ 絵


福音館書店

2021年1月1日発行

本体400円+税

【本の紹介】パワーショベル!(ちいさなかがくのとも2021年1月号)




 パワーショベルの活躍ぶりが堪能できる絵本です。迫力のある絵をお楽しみください。

 古くなり必要がなくなった建物を取り壊したり、壊したものをその場から片付ける作業で大活躍する機械がパワーショベルです。とても力持ちで、いろいろな作業をこなすことができます。

 大きな腕のような部分の先端に取り付けるアタッチメントと呼ばれる部品を取り替えることでいろいろな作業ができるようになります。この絵本では3種類のアタッチメントが描かれています。どれも格好よく、素晴らしい能力を発揮します。

 パワーショベルがいくら強い力を持っていても、それをうまく操れなければを役に立ちません。パワーショベルを操作する人たちもカッコいいと思います。(店主)


パワーショベル!(ちいさなかがくのとも2021年1月号)

鎌田歩 さく


福音館書店

2021年1月1日発行

本体400円+税

2020年12月5日土曜日

【本の紹介】ながーくなった(こどものとも年少版2021年1月号)




 何が「ながーくなった」のでしょう。ちょっとびっくりしてしまうナンセンス絵本です。

 馬が主人公です。馬の顔は長い。口も大きい。そんな馬に噛まれたら、どんなふうになってしまうのでしょう。

 まずブタが噛まれます。おやおや、お顔が「ながーく」なりました。パンダのお顔も「ながーく」なりました。次に噛んだのはヤマアラシ。でも、針が痛くて噛めません。

 馬はどんどん噛んでいきます。噛まれたものは「ながーく」なります。最後に登場するのはヘビ。噛もうと思ったら逆に噛まれてしまいました。さてさて、馬はどんなふうになってしまうのでしょう。(店主)


ながーくなった(こどものとも年少版2021年1月号)

きむらよしお さく


福音館書店

2021年1月1日発行

本体400円+税

2020年12月4日金曜日

【本の紹介】ぞろ ぞろぞろ(こどものとも0.1.2. 2021年1月号)



 この絵本をつくるまえ、作者のお二人は「小さい子って、ものを並べるのが好きですよね。小石とか、葉っぱとか」とおっしゃっていたそうです。そういえば、そうかもしれません。

 並べただけで、ものは「ぞろ ぞろぞろ」と動き出します。誰かから命を与えられたように、生き生きとした姿を見せ始めます。

 生きているのだから、笑ったり、びっくりしたり、泣いたりするのは当たり前。そんな姿に小さい子どもたちは深く共感し、友だちみたいに声をかけたりするかもしれません。

 身近な素材でつくった個性豊かで不思議な生き物がぞろぞろと登場します。最後の笑い顔が強烈な印象を残し、とても愉快です。(店主)


ぞろ ぞろぞろ(こどものとも 0.1.2. 2021年1月号)

尾崎玄一郎・尾崎由紀奈 さく


福音館書店

2021年1月1日発行

本体400円+税

2020年12月3日木曜日

【本の紹介】スモンスモン




 描かれているのは、とても奇妙な世界です。でも、絵には不思議なリアリティがあり、その世界に引き込まれてしまいます。

 登場するものの名前も奇妙です。主人公が「スモンスモン」。舞台になっている星が「ゴンゴンせい」といった具合。お話を読み始めても、最初はなかなか理解し難いかもしれません。「スモンスモンは のこりひとつになった ロンロンを オンオンのとなりに ヨンヨンでつるすと、トントンで かわをくだっていきました」。

 韻を踏んだ文章のリズムを楽しみましょう。口に出して読めば、リズムが心地よく体に響くことを実感できます。意味は、絵を見ればだんだん分かってきます。混乱したときは立ち戻って、どの名前が何を指すのか確認します。その都度、絵をじっくり見直して、その味わい深さを再確認できるのです。

 奇妙な、でも愛くるしい生き物たちが助け合い、分かち合うお話です。絵本からやさしい気持ちが伝わります。スモンスモンには最後、素敵な出会いも待っていました。(店主)


スモンスモン

ソーニャ・ダウノスキ 文・絵

新本史斉 訳


岩波書店

2019年10月25日発行

本体1800円+税

2020年12月2日水曜日

【本の紹介】アルマの名前がながいわけ




 誰もが一人ひとり、自分の名前をもっています。誰が、どうやって付けてくれたのか。その名前一つひとつに物語があります。

 この絵本の主人公はアルマ。アルマの名前の全部書くと「アルマ・ソフィア・エスペランサ・ホセ・プーラ・カンデラ」となります。長いですね。長過ぎです。

 どうしてこんなに長い名前なのでしょう。実は、アルマの名前には家族の物語が込められていたのです。アルマのパパが語るその物語に耳を傾けてみましょう。柔らかいタッチの絵から家族のやさしさと親しみが感じられます。

 パパは最後に、アルマの名前はアルマだけの特別な名前であることを告げます。家族の物語を聞いたあと、アルマは自分がかけがえのない存在であることを知ります。もうアルマの物語も始まっているのです。(店主)


アルマの名前がながいわけ

フアナ・マルティネスーニール 作

宇野和美 訳


ゴブリン書房

2020年10月発行

本体1500円+税

2020年11月27日金曜日

【本の紹介】「暮しの手帖」9号


 きくちちきさんの絵本が特別付録として付いています。絵本のタイトルは「しろいみつばち」。花の周りに虫たちが集う明るい画面からお話が始まります。

 赤く咲くのばなと、黄色いみつばちはいつも仲よし。でも、のばなはどこにでも飛んでいけるみつばちが羨ましくなります。赤い花びらにも飽きてしまい、純白になりたいという願いをみつばちに告白します。

 のばなの願いが叶うことはありません。でも、季節外れの雪が降り出し、やがてのばなもみつばちも、白い景色の中へともに消えていってしまいます。次の日、雪がとけて春の景色が戻ると、そこには一輪の純白の花がやさしく光輝いていました。みつばちの姿を見出したとき、私たちの感情はさらに高まります。

 表紙もきくちさんの絵が飾っています。絵本は綴じ込み付録で取り外すことはできないようです。(店主)


「暮しの手帖」9号


暮しの手帖社

2020年11月25日発行

本体1000円+税

2020年11月24日火曜日

【本の紹介】たいこ

 



 イヌがたいこを叩き始めました。人間の子どもがやってきて「いれてよ」といいます。子どもはちょっと不安そうな顔をしていましたが、たいこを叩きはじめるとにっこり顔になりました。

 仲間がだんだん増えていきます。調子に乗って叩いていると「うるさいぞー」とワニが怒り出します。みんな逃げて、たいこの周りには誰もいなくなりました。

 一人(一匹?)残ったワニがたいこを叩き始めます。すると、たいこのリズムがまたみんなを呼び寄せます。最後はみんなで踊り始めて、とても楽しそうです。

 同じリズムを感じれば、みんなの心が通い合います。この絵本の中にリズムがあります。誰もが楽しめる絵本です。(店主)


たいこ

樋勝朋己 ぶん・え


福音館書店

2019年10月5日発行

本体900円+税

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.11

   くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.11」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人もきっと楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。 ■日 時:202...