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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2024年1月26日金曜日

【本の紹介】ミーのどうぶつBOOK




 登場する動物たちは、みんな「ミー」の友だちです。ミーと動物たちの何気ない、でもちょっと不思議な日常を描いた絵本です。

 ミーは人間の若い女性です、たぶん…。友だちがたくさんいるので毎日がとても楽しそう。

 例えば、ある日、ミーは眠っているブタの横に座り、草でブタの耳をくすぐります。ブタは「こら!」と鼻を鳴らしますが、優しい顔をしています。ブタは、青い目に白いまつげだそう。きっと美しいブタですね。

 ブタだけでなく、ネコやイヌ、ポニー、ヒツジ、ウシ、メンドリ、ウマ、それにカタツムリも出てきます。動物だけではありません。ミーには人間の友だちもいます。「スティップさん」と「農夫のおじさん」。二人とも、いい味出しています。(店主)



ミーのどうぶつBOOK

ハリエット・ヴァン・レーク 作

野坂悦子 訳


朔北社

2023年6月30日発行

定価:本体1500円+税

2024年1月25日木曜日

【本の紹介】ママになるつもりはなかったんだ日記




 この本の著者は、決して子どもを持つことが嫌だった訳ではないのです。「ママ」になることが嫌だったのです。ん? どういうこと?

 女性は子どもを産むと同時に「ママ」と呼ばれるようになります。著者は、私たち人間の社会では「ママ」というラベルに「生物学上の親」を超えた意味がまとわりついてくると感じ、違和感を禁じ得ないようです。

 今は二人の子どもの母となった著者ですが、もともと「お母さんになりたい」と思ったことはなかったそうです。依然、「ママになりたくない」という気持ちは持ち続ける一方で、「子どもたちと一緒に暮らすことが楽しい」とも感じる日々。そんなアンビバレントな感覚に、嘘偽りはないのです。

 何気ない日々の中で書き溜めたエッセイの数々をお楽しみください。自分を見つめ直すきっかけになる本です。(店主)


ママになるつもりはなかったんだ日記

べっくやちひろ


2023年11月9日発行

1,200円+税


✳︎くわのみ書房で購入できます。

2024年1月23日火曜日

【本の紹介】わにわにと おおゆき(こどものとも年少版2024年2月号)



 わにの「わにわに」の、雪の日の散歩を描いた絵本です。寒い寒い冬の朝、窓の外を見ると雪が降っています。

 家の外はすでに真っ白。わにわには歩き始めます。

 雪は「つつつ つつつ」と降ります。わにわには「きし きし ずずず」と歩きます。雪は「づん づん づん」と積もっていきます。

 雪は、わにわにの背中にも積もります。だんだん山のように積み上がる雪。わにわには無事お家に帰れるのか、心配になります。(店主)


わにわにと おおゆき(こどものとも年少版2024年2月号)

小風さち ぶん

山口マオ え


福音館書店

2024年2月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年1月18日木曜日

【本の紹介】えすがたにょうぼう




 語り継がれてきた民話の絵本です。ダイナミックな構成で伸び伸びと描かれた絵が、私たちを自由な発想に基づく民話の世界に誘います。

 昔、門太(もんた)という若者の百姓がいました。働き者の門太は気が弱く、なかなか女房を探す気になれません。でも、草鞋の鼻緒を切って困っていたねえさまを助けると、女房にして一緒に暮らすようになりました。

 門太は「おら、ゆうがおの花みてえなにょうぼうをもろうたぞ!」と大喜び。畑仕事をしていても、美しい女房が気になってすぐに家に戻ってしまうほどです。困った女房はまちの絵描きに自分の絵姿を描いてもらうことにしました。門太は畑でその絵姿を見ながら、再び仕事に精を出すようになります。ところが、ある日、にわかに風が大きく巻き起こり、絵姿は殿様の暮らすお城まで飛ばされてしまいます。美しい絵姿を見た殿様は、門太の女房を無理矢理、お城に連れてきてしまいました。

 さあ、門太は女房を取り戻すことができるのか。威張りちらしている殿様ですが、どこかヌケていて憎めないところもありそうです。この絵本は1965年に発行された作品を復刊しました。(店主)


えすがたにょうぼう

ぶん・今江祥智

え・赤羽末吉


BL出版

2023年9月20日発行

定価[本体1,500円]+税

2024年1月17日水曜日

【本の紹介】ピースケのいえで




 子どもたちは、おもちゃのぬいぐるみが大好きです。一緒に遊び、ときには話し相手になってくれるぬいぐるみは大切な友だちです。そんなぬいぐるみたちの内緒話の絵本です。

 みどちゃんが家に帰って手提げバッグをぽいっと置くと、うさぎのピースケが飛び出してきました。ピースケは、のぶちゃんの大切なぬいぐるみです。みどちゃんとのぶちゃんは同じマンションに暮らす仲良しのお友だち同士。二人はさっきまで、のぶちゃんの家で一緒に遊んでいました。

 でも、のぶちゃんの機嫌が悪くなって、みどちゃんは帰ることにしたのです。でも、さっきはぬいぐるみで遊ばなかったはずなのに、どうしてピースケがここにいるの? 不思議に思ったみどちゃんですが、ピースケは明日返すことにして、自分のぬいぐるみたちがいるカゴの中にピースケを置きました。みどちゃんがいなくなると、ぬいぐるみたちの内緒話が始まります。

 何と、ピースケは家出を試みたようです。これはぬいぐるみたちの秘密のお話です。さて、ピースケはこれからどうなるのでしょう。(店主)


ピースケのいえで

たかどのほうこ


童心社

2023年9月20日発行

定価 本体1400円(税別)

2024年1月16日火曜日

【本の紹介】まど・窓・まど(たくさんのふしぎ2024年2月号)




 窓について語る絵本です。窓の形は、日本と外国でずいぶん違うようです。

 外国では、窓は部屋の内側に引っ張って開ける形がほとんどです。実は、ドアも内側に開きます。内開きの方が外からの侵入者を防ぎやすく、家を守るのに好都合だったからと考えられます。

 一方、日本の家屋では、縁側と畳の部屋の間に壁が無く、横に開く戸を設けるだけという形があるなど、窓の存在は曖昧です。ある意味、家のつくりが開放的であるともいえます。それは、日本は湿気が多いため、窓に当たる部分を大きくして、風通しをよくして快適に過ごすためだったのでしょう。

 私たちは窓を通じて外の新鮮な空気を味わうことができます。この絵本の作者は「窓は、わたしたちの生活を、きもちよいものにしてくれます」と語ります。窓について考えることは、私たちの生活をよりよくすることにつながるのです。(店主)


まど・窓・まど(たくさんのふしぎ2024年2月号)

深井聰男 文

深井せつ子 絵


福音館書店

2024年2月1日発行

定価770円(本体700円+税10%)

2024年1月13日土曜日

【本の紹介】あかくん しゅうりやさんに いく(ちいさなかがくのとも2024年2月号)




 快適に走っていた自動車が故障してしまった! そんなハラハラドキドキの体験を描いた絵本です。

 赤いボディの自動車、「あかくん」がドライブに行くと、上りの坂道で渋滞にはまりました。ノロノロ運転は疲れます。「ふう、ふう、あつい あつい」

 おや、エンジンの調子がちょっと変です。たいへん、煙も出てきました! 「だれか たすけて〜」と助けを求めると、レッカー車の「レッカーしゃくん」が来てくれました。連れて行かれたところは修理工場です。

 修理工場は非日常の不思議な空間。たくさんの自動車が修理されるのを待っています。順番が来たあかくんは、どきどきしてきました。無事修理してもらえるのかな。(店主)


あかくん しゅうりやさんに いく(ちいさなかがくのとも2024年2月号)

あんどうとしひこ さく


福音館書店

2024年2月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年1月12日金曜日

【本の紹介】クックククック レストラン(こどものとも年中向き2024年2月号)




 料理が主役の絵本です。美味しそうな匂いが漂ってきそうです。

 登場する料理はハンバーグ、ナポリタン、そしてミックスピザ。どれも子どもたちに人気のメニューです。実は、私も大好きです。

 レストランでの食事は、いつもと違ってちょっと特別なイベント。わくわくする気持ちをリズミカルな文章で表現しています。そして、丁寧に描かれた絵に、思わずよだれも出てきそう。やっぱり、美味しいものを食べているときが一番幸せです。

 最後に出てくるのは特製デザートのプリン・ア・ラ・モード! 華やかな絵で締めくくり、大満足でページを閉じました。(店主)


クックククック レストラン(こどものとも年中向き2024年2月号)

くらささら 文

嶽まいこ 絵


福音館書店

2024年2月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年1月11日木曜日

【本の紹介】まんなか(かがくのとも2024年2月号)




 「まんなか」について考えてみる絵本です。あらためて考えてみなくても、まんなかなんてすぐ分かりそうですが、そう簡単には行かないようです。

 丸い形のまんなかは、すぐ思い浮かべることができます。丸の中心がまんなかです。線の形でも中心がまんなかです。長い紐で例えてみると、半分の長さになるよう二つ折りにしたところ。また、重さでまんなかを探してみると、形で探したまんなかとはずれてしまうことがありますが、まんなかを見つけ出すことはできます。「重心」といったりします。

 さて、一列に並んだ子どもたちで考えてみましょう。3人の子どもが並べば、誰がまんなかなのか、すぐ分かります。4人の子どもでは、誰がまんなかなのか決められませんが、列のまんなかはどこか分かるでしょう。5人の子どもでも、誰がまんなかなのか分かります。では、5人の子どもたちが手をつないで輪になると…。おや、まんなかは誰なのか分からなくなりました。

 輪になると「端っこ」が無くなります。「端っこ」が無いと、まんなかも無くなってしまうのです。この絵本は最後に、私たちが存在する宇宙にまんなかがあるのか、端っこがあるのか問いかけています。その答えを追い求める人になってみませんか?(店主)


まんなか(かがくのとも2024年2月号)

池内了 ぶん

東海林巨樹 え


福音館書店

2024年2月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年1月6日土曜日

【本の紹介】ばけタクシー(こどものとも2024年2月号)




 山のタヌキたちの頑張りを描いた絵本です。頑張ってはいるけど、どこか抜けている、ゆかいなお話です。

 山奥に暮らすタヌキたちは人をばかすのが大好き。ある日、山のふもとの村に駅ができました。人がどんどん引っ越してきます。あっという間に大きなまちになりました。「やまにも たくさん ひとが くるな」「たくさん ばかせるぞ! こりゃあ いそがしくなるなあ」とタヌキたちは期待に胸を膨らませます。

 ところが、まちの人たちは全然山にやってきません。山に用事がある人なんていないのです。そこでタヌキたちは、自分たちがまちに行って人をばかそうと考えます。タヌキたちが話し合う中で浮かんできたのは、タクシーにばけて人間を山の中に連れてきてしまうというアイデア。でも、タヌキたちはタクシーのことをよく知りません。果たして上手にタクシーにばけることができるのでしょうか。

 タヌキたちの奮闘努力が見どころです。頑張って本物そっくりにばけたのに、最後の最後で…。残念! (店主)


ばけタクシー(こどものとも2024年2月号)

藤重ヒカル 作


福音館書店

2024年2月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年1月4日木曜日

【本の紹介】とっくん(こどものとも0.1.2. 2024年2月号)




 鮮やかな色のページに丸い形の穴が開いています。そこに添えられた「とくっ」「とっくん」「どっどっ どっどっ」といった擬音語を通じてお話が進みます。

 何の音でしょう。リズムがあるような、ないような。どこかで聞いたことがあるような、ないような。

 答えは付録の「絵本のたのしみ」にある「作者のことば」に載っていました。この絵本のテーマは心臓の音。小さな子どもたちがおかあさんのお腹の中で聞いていた心臓の音、生まれた後に抱かれて聞いたいろいろな人の心臓の音。心音は子どもに心地よく、安心感を与えるそうです。

 色や穴の形、そして擬音語を通じて、視覚、触覚、聴覚の3つの感覚を刺激する絵本です。子どもと一緒に、大人もこれらの刺激を大いに楽しんでください。(店主)


とっくん(こどものとも0.1.2. 2024年2月号)

駒形克己 さく


福音館書店

2024年2月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年1月3日水曜日

【ご挨拶】あけましておめでとうございます!




 あけましておめでとうございます。くわのみ書房は1月3日(水)から今年2024年の営業を開始します。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 元旦早々、北陸地方を中心に大きな地震が発生しました。2日には羽田空港で飛行機事故が起こりました。例年とは異なり、多くの人が心を痛める年明けとなりました。被災された方々にはお見舞い申し上げます。一日でも早く普通の日常生活が早く戻ることを祈ります。(店主)

【本の紹介】ねんね ねんね おやすみね(こどものとも0.1.2. 2024年12月号)

 楽しい一日を過ごしても、やがて眠りにつくときがやってきます。大きいあくびがその合図。さあ、おやすみの時間ですよ。  お絵描きに大活躍したクレヨンたちも大きいあくびを「ふわぁ〜」。ケースに収まって、みんな仲良く「ねんね ねんね」。  こねこも、くつも、とりのあかちゃんも、...