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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2024年6月29日土曜日

【本の紹介】かわのなかでは(こどものとも2024年7月号)



 魚釣りのお話を魚たちの側から描いた絵本です。この魚たち、ちょっと用心深いようです。

 川底に黄色いお団子が「どぼん」と落ちて来ました。美味しそうな匂いです。でも、これは釣り針がついた餌。食べた魚は釣り上げられてしまいます。

 最初に見つけたのは2匹のギンブナでした。賢明なことに、危険を感じてすぐには飛び付かず、ほかの生き物たちの意見も聞いてみることにしました。すると、イシガメやウナギ、カニ、ナマズなど、川の仲間たちが大勢集まります。

 迫力いっぱいに描かれた魚たちが川の中で楽しい会話を繰り広げます。最後は経験豊かなコイが登場して事なきを得ました。魚釣りは魚と人間の知恵比べ。今回は魚たちが一枚上手だったようです。

 さて、このお話の中に登場するイタセンバラという魚。虹のような模様でとても綺麗です。私は見たことも聞いたこともありませんでしたが、作者の思い出の魚の一つのようです。(店主)


かわのなかでは(こどものとも2024年7月号)

伊藤秀男 さく


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年6月27日木曜日

【本の紹介】火の鳥 いのちの物語



 手塚治虫作品の『火の鳥』が絵本になりました。多くの人が親しんだ名作の漫画から生まれた絵本です。

 火の鳥は死ぬことがない不思議な鳥です。何百年も生きて羽などが痛むと、爆発する火山や燃え盛る炎の中に飛び込み、生まれ変わって子どもの火の鳥になって出てくるのです。

 子どもの火の鳥は、安らかな巣の中でゆっくり育ちます。巣で休む火の鳥のもとに、鳥や動物たちがやって来ました。火の鳥は生命の物語を話し始めます。一つひとつの命は、みんなつながっていることを教えてくれます。

 火の鳥が、よりいっそう親しみやすい存在として描かれています。この絵本をきっかけに、手塚作品の『火の鳥』シリーズを初めて手に取る人、また再びその世界を訪ねようとする人が大勢いるような気がします。(店主)


火の鳥 いのちの物語

手塚治虫/原作

鈴木まもる/文・絵


金の星社

2024年4月発行

定価(本体1,400円+税)

2024年6月19日水曜日

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.11


 

 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.11」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人もきっと楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。


■日 時:2024年7月6日(土)午前11時~11時30分

■会 場:くわのみ書房

■対 象:子どもと大人

■参加費:無料

※事前のお申し込みは不要です。


〈お問い合わせ〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年6月18日火曜日

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.12



 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.12」を7月12日(金)に開催します。作家・村上春樹さんによる翻訳絵本を楽しみましょう。

 今回取り上げる絵本は『2ひきのいけないアリ』(あすなろ書房)です。1989年にほるぷ出版から『くいしんぼうのあり』(木島始訳)として出版されていましたが、村上春樹さんの新訳版が2004年9月に発刊されました。飲み物とお菓子付きの会です。お気軽にご参加ください。


■読む本:『2ひきのいけないアリ』(クリス・ヴァン・オールズバーグ、村上春樹[訳]、あすなろ書房)


■日 時:2024年7月12日(金)午後6時~7時

■会 場:くわのみ書房

■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き

■定 員:4人


〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

【本の紹介】  すったん すったん(こどものとも年中向き2024年7月号)


 

 タイトルの「すったん すったん」は縄跳びのようすを表現しています。なぜ縄跳びで「すったん すったん」? これは縄跳びのリズムを裏打ち、つまりバックビートで表しています。付録の「作者のことば」によると、とくに大縄跳びなどではリズムを裏打ちで感じた方が縄に飛び込みやすいとのことです。

 さて、この絵本では「すったん すったん」と一人の子どもが縄跳びを始めます。楽しそうにしているから「いーれーて」とお友だちがやって、今度は二人で「すったん すったん」。

 三人目のお友だちが来るあたりから、うまくいかなくなります。縄に足が引っかかって、それから縄の取り合いに。縄で綱引きも始まりますが、縄がすっかり伸びてしまうと次は電車ごっこです。子どもたちはいつだって、遊びには貪欲です。

 お友だちが一人ずつ増えていくので、数えっこ遊びも楽しめます。リズミカルな文章と、シンプルでユーモラスな絵がとてもよくマッチしています。最後は伸び切った縄で大縄跳び。お友だちは十人まで増えました。(店主)


すったん すったん(こどものとも年中向き2024年7月号)

おのりえん ぶん

はたこうしろう え


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【ご報告】「村上春樹の絵本を読む会 vol.11」を開催しました!


  くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.11」を6月14日(金)に開催しました。定員いっぱいの4人の方にご参加いただきました。

 作家・村上春樹さんが手がけた絵本の読み聞かせを楽しむ会です。村上さんが文章を書いたり翻訳したりした絵本はたくさんあります。

 今回はその中から、1996年4月に出版された『ベンの見た夢』(クリス・ヴァン・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳、河出書房新社)を取り上げました。ベンは野球の遊びを後回しにして地理の勉強の本を読み始めますが、やがて眠りに落ちてしまいます。夢の中で世界を巡り始めたベンは誰かと出会うことになりますが、その誰かとは…。

 村上さんも魅了されたオールズバーグの絵本の世界。そこからいろいろな話題が派生して、楽しいおしゃべりの時間を過ごしました。(店主)

2024年6月13日木曜日

【本の紹介】ペンくんの ダンスすいぞくかん(こどものとも年少版2024年7月号)


 

 段ボールで作った生き物たちが生き生きと動き出す絵本です。表情豊かな生き物たちの楽しさが読む人たちにも伝わります。

 水族館でダンスの練習が始まります。ペンギンが「みんな あつまってー」と声をかけると、たくさんの仲間たちが寄って来ました。

 ペンギンがリーダーシップを発揮します。らっこさんやさかなさん、かにさん、オットセイさんがそれぞれ得意とするダンスを披露します。みんなの一生懸命な姿が胸を打ちます。

 最後にいるかさんが登場。ペンギンに「ペンくん ぼくも まぜてー」と声をかけました。いるかさんの大きなジャンプは見応えたっぷりです。(店主)


ペンくんのダンスすいぞくかん(こどものとも年少版2024年7月号)

小池アミイゴ


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年6月12日水曜日

【本の紹介】こぐまのおすもう(こどものとも0.1.2. 2024年7月号)




 可愛いこぐまたちが遊ぶようすを描いた絵本です。動きがとてもユーモラスなくまは、私たちに親しみを感じさせ、絵本にもよく登場します。

 くまは基本的に単独で行動し、1回の出産は通常2頭の子どもが生まれることが多いようです。ということで、この絵本に登場する2頭のこぐまはきっと家族でしょう。

 おかあさんぐまも、すぐそばにいるはず。2頭は安心してじゃれ合っています。じゃれ合いはまるでお相撲のように見えるところから、この絵本が出来上がりました。何度も何度もお相撲を取り、愉快になって笑い合うこぐまたち。その楽しさは、この絵本を読む子どもたちにも伝わります。

 絵は、木板を電熱ペンなどで焦がして絵や模様を描くウッドバーニングに絵の具で色付けして仕上げたそうです。優しい味わいの絵です。近年、人里に出没するくまのニュースを見る機会が増えています。くまが暮らしやすい環境を作ることは、私たちの周りの環境をよくすることにつながります。(店主)


こぐまのおすもう(こどものとも0.1.2. 2024年7月号)

猫野ぺすか さく


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年6月1日土曜日

【本の紹介】トクベツキューカ、はじめました!




 1年のうちで1日だけ自由にお休みしてよい日があったら、私たちはその日をどう過ごすでしょう。そんな特別な一日の子どもたちを描いた児童文学作品です。

 お話の舞台は小学校。その小学校では、生徒たちは1年に1日だけ、特別休暇を取ることができます。通称「トクベツキューカ」は、一人ひとりが好きなときに、好きな理由で学校を休むことができるのです。

 トクベツキューカの日は、誰もが自由にのびのびと過ごせるはず。でも、なかなかそう簡単にはいかないようです。自由だからこそ、自分に向かい合い、それまで見えてこなかった自分を知ることになります。子どもたちの成長する姿に胸を打たれます。

 季節ごとの5つのエピソードで構成しました。トクベツキューカを必要としているのは、子どもたちだけではないでしょう。かつて子どもだった人にもおすすめしたい作品です。(店主)


トクベツキューカ、はじめました!

清水晴木 作

いつか 絵


岩崎書店

2024年5月31日発行

定価(本体1400円+税)

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.12

 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.12」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人もきっと楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。 ■日 時:2024年...