お祭りの日は、何かいつもと違うことが起こります。その特別な経験が、子どもたち一人ひとりの成長を促します。
しょうたの村では、毎年12月1日は「きたかぜさま」というお祭りの日です。次の年に1年生になる子どもは大事な仕事を任されます。村巡りのとき、先頭に立つのです。しょうたは同い年のごろうと大役を果たしました。
お祭りのご馳走を食べているとき、すごい風が吹いてきました。しょうたは大きな木の根元に高く積んだお供え物のりんごが崩れていないか心配になり、ごろうと見に行きます。そこにいたのは一人の女の子。りんごをいっぱい食べた女の子は「かぜよ ふけふけ どんはらい!」といって葉っぱを扇ぎました。すると枯れ葉が渦を巻いて舞い上がり、3人の子どもたちも高く高く上がり始めました。
実は、この絵本に出てくる「きたかぜさま」は架空のお祭りです。でも、舞台となる里山の村のようすが丁寧に描かれ、本当のお祭りのように思えます。空高く飛んだ3人の子どもたちの活躍は、私たちを爽快な気持ちにしてくれます。(店主)
きたかぜさま(こどものとも2021年12月号)
星野なおこ 文
羽尻利門 絵
福音館書店
2021年12月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
0 件のコメント:
コメントを投稿