シャチの生態を紹介する写真絵本です。迫力ある写真でシャチの海の暮らしを伝えます。
シャチは「海のギャング」と呼ばれ、恐れられてきました。今では水族館でも観ることができるシャチですが、実は自然の中でどのような暮らしをしているのか、最近まであまりよく分かっていなかったそうです。
シャチの暮らしぶりについて本格的な調査が始まったのは1970年代。カナダやアメリカ北部の太平洋沿岸の海に暮らすシャチがその対象になりました。シャチの背びれや、背びれのすぐ後ろの白い模様は1頭ごとに違いがあるそうです。研究者たちはこれらの違いを手がかりに、1頭ごとに見分けて観察を続けました。この海で暮らすシャチの群れはおかあさんを中心とする家族であり、メンバーの入れ替わりもなく、その絆はかなり強いことが分かってきました。シャチのメスは80歳くらいまで長生きするので、自分の経験や知識を家族に伝えていくこともできます。シャチは家族の伝統を受けついで生きているのです。
ただ、シャチは地球上のほぼすべての海に生息しており、それぞれの海のシャチたちは自分たちが住む海の環境に合わせて、独自の暮らしをしています。四方を海で囲まれた日本でも、ときおりシャチは観察されているそうです。(店主)
シャチのくらし 伝統を受けついで生きる(たくさんのふしぎ2021年12月号)
水口博也 文・写真
福音館書店
2021年12月1日発行
定価770円(本体700円+税10%)
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