栗の木の林のようすを描いた写真絵本です。2年間に渡って栗林をほぼ同じ構図で撮影し、ときの流れに沿ってゆっくりと変化する栗の木の姿を追いかけました。
1年目の2月の終わり、栗林に雪が降りました。地面は真っ白になりましたが、栗の木の根元には雪がありません。雪のないところは片側に偏っているのは風のせいでしょう。ページをめくると、根元まで雪で埋もれています。湿った雪がたくさん降ったようです。もう春はすぐそこです。
夏には花を咲かせました。でも9月の終わり、栗の実は熟さないまま落ちてしまいました。栗の木は実をつけることより、木を大きくすることに力を使ったようです。秋が深まり、また冬が来ました。
栗林では季節ごとに同じことが繰り返されます。でも栗の木は、少しずつ成長し、次の秋には実をたくさんつけることができました。栗林にも物語があります。なかなか気づくことができない、その物語の存在を気づかせてくれる絵本です。(店主)
くりばやし(たくさんのふしぎ2018年11月号)
姉崎エミリー 文
姉崎一馬 写真
福音館書店
2018年11月1日発行
本体667円+税
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