千葉市の児童書専門店の会留府で毎月開かれているYA(ヤングアダルト)の読書会に参加しました。今回のテキストは「スコーレNo.4」(宮下奈都、光文社文庫)です。一人の女性が中学生から大学生、そして社会人になってからの時代を含めて成長していく姿を描きます。主人公は骨董品屋を営む家庭で育ち、家族との関係や恋愛、仕事を通じて大人になっていく。美しくみずみずしい文章で描写された主人公は魅力的です。生々しい描写はほとんどなく、リアリティに欠けるように思いますが、読書会でも指摘された「サラッとした感じ」が肌に心地よく感じられる人は多いのではないかと思います。「No.1」から「No.4」の4章で構成する章立てで、各章は別々の時代を独立して描き、それぞれが短編小説として読めるようにもなっています。もちろん全体的に一つの作品として完成しており、とてもよく考えられている構成です。YAといわれている人たちより上の世代におすすめしたいとの意見もありました。この作家の作品で、次は「羊と鋼の森」を読んでみたいと思いました。
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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。
絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!
2017年7月14日金曜日
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【本の紹介】水はうたいます
私たちの命を支える水。一滴の水はやがて大きな流れとなり、みずみずしい世界をつくります。 世界の至るところで、水はその姿形を変えていきます。まるで一つの音符が集まって壮大なシンフォニーを奏でるように。 水はうたいます。私たちは確かに、水のうたを聴くことができるでしょう。それは...
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写真絵本は、絵の代わりに写真で構成されている絵本です。絵で構成する絵本とは異なるリアルな表現で見る人の心に迫ります。 写真には一瞬のときを切り取って表現できる力があります。カメラの目に写るすべてのものが描かれ、情報量が多いことも大きな特徴といわれています。...
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とても真面目な絵本です。真面目だからこそ深まっていくおかしさがあります。結末の面白さには、誰もが舌を巻くことでしょう。 「まわるおすしやさん」といえば、当然「回転寿司」です。でも、回転寿司を見たことがない人が「まわるおすしやさん」といわれてどんなお店...
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動物たちと楽しく会話できる絵本です。動物たちが好きなことはそれぞれ違うようです。 しかさんは走るのが好き。ふくろうさんは飛ぶのが好き。みんな自分の得意なことが好きみたい。 最後に出てきたのがくじらさん。くじらさんが好きなことは豪快に潮を吹くこと。「ブシュッ ブシュー!...
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