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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2025年7月31日木曜日

【本の紹介】きつねの木




 生きる喜びを感じさせる絵本です。大きな木をよりどころにして成長するこぎつねの姿を描きます。軽やかなタッチと優しい色使いの絵で、自然を生き生きと表現しました。

 2匹のこぎつねが、お家から外に出たいとそわそわしています。おとうさんぎつねは「そろそろいいかもしれないな」。おかあさんぎつねは「そうね、あの木の ところまでね」。こぎつねたちは大きな木を目指して走り出しました。

 こぎつねたちは、うれしくて木の周りを飛び跳ねます。最初に挨拶したのはヒヨドリです。春風が吹くようになり、木にどっさりと赤い実がなりました。ヒヨドリは、こぎつねたちが食べた実の種がうんちと一緒に出てきて、やがて芽を出し、大きな木に育っていくと教えてくれました。こぎつねたちは、それは「ぼくたちの木」で「きつねの木」だとうれしくなりました。

 季節はめぐり、こぎつねたちは、大きな木とそこに集まる生き物たちと一緒に成長します。大人になり、木を離れますが、命を繋がる場は輝きを失うことはありません。(店主)


きつねの木

石川えりこ


講談社

2025年4月15日発行

定価:本体1600円(税別)


#くわのみ書房

2025年7月30日水曜日

【本の紹介】超深海への旅(たくさんのふしぎ2025年8月号)



 少し未来のお話です。203X年7月、最新型の超深海潜水艦「ハデス12000」に乗って、海洋学者のラメール博士と、二人の日本の小学4年生が深い深い超深海の世界を調査する旅に出ます。

 海を潜り始め、深さ200メートルから先になると光が届かず、ほとんど真っ暗になります。そこから「深海」と呼ばれるようになり、さらにもっと深く6000メートルを超えると「超深海」と呼ぶようになるそうです。

 深さ6000メートル以上の海の底で、細長い溝のような場所を「海溝」といいます。ハデス12000は、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝、トンガ海溝を巡ります。日本海溝は最深部の深さが8000メートルを超える世界有数の海溝。そして、マリアナ海溝は世界で最も深く、深さ約10920メートルに達します。超深海にはいったいどんなことが待っているのでしょう。

 今ある日本の有人潜水調査船「しんかい6500」が潜航できるのは、深さ6500メートルまでだそうです。だから、ハデス12000のお話はもう少し先のこと。早く実現できるといいですね。

 そして、残念なことに、日本海溝の深さ6000メートルくらいの場所を調査すると、そこにはプラスチックのゴミ袋やポテトチップスの入っていた袋、空き缶など、人間の出したゴミが見つかるそうです。今、大きな問題となっているマイクロプラスチックも深海に届いているそうです。地球を知ることは、環境問題への関心につながると思います。(店主)


超深海への旅(たくさんのふしぎ2025年8月号)

蒲生俊敬 文

関口シュン 絵


福音館書店

2025年8月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年7月25日金曜日

【本の紹介】みずたまりと いきもの(かがくのとも2025年8月号)




 林の中の小さな水たまりのようすを描いた絵本です。多くの生き物が集まります。

 鳥たちが水浴びにやってきます。猛禽類のオオタカが来ると、小鳥たちは逃げ出すように飛び去っていきました。獣のイノシシも、まるでお風呂のように水に浸かります。体に付いた虫を取ったり、体を冷やしたりするそうです。

 作者の槐真史さんは、自動撮影できるカメラで水たまりを観察して、この絵本の文章を書きました。迫力のある絵は切り絵のようです。絵を描いた福井利佐さんは切り絵アーティストと紹介されています。

 最後に、街の道路の水たまりが紹介されています。ここにも生き物が集まります。生き物たちを惹きつける水たまりは、小さくても一つの世界を形作っているようです。(店主)


みずたまりと いきもの(かがくのとも2025年8月号)

槐真史 ぶん

福井利佐 え


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年7月24日木曜日

【本の紹介】かみちゃんといしちゃん(こどものとも年中向き2025年8月号)



 紙と石の物語が始まります。実はとても仲良しのお友だちだったのです。

 よいお天気です。紙の「かみちゃん」がお出かけします。石の「いしちゃん」と会いました。一緒に遊び始めます。

 紙と石が、生き生きと動いている絵本です。作者の谷内つねおさんが、画用紙からかみちゃん、近くの海で拾った石からいしちゃんというキャラクターを生み出し、黑田菜月さんが写真でその姿を私たちにみせてくれました。

 紙のかみちゃんが水に濡れて形を変えてしまう場面があります。でも、かみちゃんもいしちゃんもまったく動じません。頼もしいお友だち同士です。(店主)


かみちゃんといしちゃん(こどものとも年中向き2025年8月号)

谷内つねお さく

黑田菜月 しゃしん


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房


【本の紹介】ジャングルバス(こどものとも年少版2025年8月号)



 いろいろな動物が登場する絵本です。ジャングルの中を走るバスのお話です。

 運転手はマントヒヒさん。お客さんが乗る席はまだ少し余裕がありますが、キリンのおねえさんが乗るには少し狭いようです。でも、長い首を窓から出して何とか乗ることができました。

 お客さんが次々に乗り込み、バスはもう満員。最後の停留所には大きなゴリラさんが待っていました。ゴリラさんは、「おれは ここでいいから」といってバスの屋根に飛び乗ってしまいました。

 わがままをいったゴリラさんですが、最後は大活躍して、みんな大喜び。ジャングルバスは、今日も動物たちを乗せてジャングルの中を走ります。(店主)


ジャングルバス(こどものとも年少版2025年8月号)

大島英太郎 さく


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年7月17日木曜日

【本の紹介】ぽーぽーぽぽー(こどものとも0.1.2. 2025年8月号)




 シンプルな構成の絵はアップリケで描きました。言葉の繰り返しが重なり、小さい子どもたちを絵本の世界に引き込みます。

 鳩が「ぽーぽーぽぽー」といって登場します。もう1羽増えて賑やかになりました。

 2羽の鳩は巣を作り始めます。卵が2個産まれました。鳩たちはとてもうれしそう。雨が降り始めました。でも、鳩たちは卵を大事に温めます。やがて卵は…。

 テンポよくお話が進みます。雛たちの「ぴーぴーぴぴー」という鳴き声が加わって、いっそう賑やかになりました。早く大きくなあれ!(店主)


ぽーぽーぽぽー(こどものとも0.1.2. 2025年8月号)

田村ゆう子 さく


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年7月15日火曜日

【お知らせ】カフェメニューのお菓子が変わります。




 カフェメニューのお菓子が変わります。7月15日から千葉市の社会福祉法人オリーブの樹のクッキーを提供します。飲み物と一緒にご注文いただくお菓子セットがお得です。お菓子の提供はクッキーのみとなります。よろしくお願いいたします。(店主)


#くわのみ書房

2025年7月12日土曜日

【本の紹介】わすれていいから




 猫の一人語りの絵本です。ちょっと切ない最後に胸が詰まります。

 窓際で外を見ている猫が語り始めます。拾われて今暮らす家に来たとき、すでにそこには、猫が「おまえ」と呼ぶ赤ん坊の子どもがいたのです。

 猫と子どもは、ともに大きくなります。猫の成長は人間より早く、当然猫が兄貴分を務めることになります。でも、やがて子どもは大きくなり、いつの間にか猫を残して家を出てしまいます。

 柔らかい光と爽やかな風を表現する絵から心地よさを感じます。猫は「おれのことは わすれていいから」というけど、きっと強がっているだけですよね。(店主)


わすれていいから

大森裕子


KADOKAWA

2024年2月21日発行

定価:本体1,500円(税別)


#くわのみ書房

2025年7月11日金曜日

【本の紹介】ミライチョコレート




 未来を舞台に不思議なお話が展開されます。約1000年後の3024年、チョコレートは誰も食べたことがないものになっていたようです。

 博物館にやってきたマヤ。大昔の「ほん」というものを見て、かつて「チョコレート」という食べ物があったことを知ります。それは、口の中でとろりとろける甘いお菓子。マヤは「たべてみたいなあ」と思うのでした。

 パパもママも、チョコレートのことは知らないようです。マヤはチョコレートを求め、空飛ぶ乗り物の「フライごう」で探検に出ました。チョコレートはなかなか見つからず、疲れ果てたマヤの目の前に古いロボットが現れました。ロボットは、誰かがチョコレートを作りに来るのを待っていたというのです。

 未来の世界を大胆なタッチの絵で描いた絵本です。私たちの未来はどんな世界になっているのでしょう。いくら便利になっても、チョコレートが無くなってしまうのはいやですね。マヤはうまくチョコレートを作ることが出来たのでしょうか。(店主)


ミライチョコレート

ザ・キャビンカンパニー


白泉社

2024年1月24日発行

定価 1500円+税


#くわのみ書房

2025年7月9日水曜日

【本の紹介】わくせいリベット




 子どもが不思議な空間を旅するお話の絵本です。旅する子どものわくわくした気持ちが伝わります。

 子どもの名前はミク。「おーい」と呼ぶ声が聞こえます。いったい誰が?

 気がつくと、ミクは暗い砂漠の真ん中にいました。愛犬のムーも一緒です。目の前に大きなスフィンクスが現れ、誰が呼んでいるのか知りたければ「わくせいリベット」に行けばよいと促します。ミクとムーは近づいてきた黄色のトラムカーに乗り込みます。着いたところはわくせいリベット。そこは時空が歪む世界でした。

 わくせいリベットは、私たちのすぐ隣にもあるかもしれない不思議な空間。この絵本を読む人はみんなわくわくしてきます。ミクはわくせいリベットで誰と出会うことになるのでしょう。(店主)


わくせいリベット

伊藤正道・絵+文


ジオジオ ファクトリー

2023年11月20日発行

定価:本体1,600円+税


#くわのみ書房

【本の紹介】たいそう だいすき! タッピー



 お猿のタッピーと体操する絵本です。仲間の動物たちも一緒です。

 深呼吸から始めます。「すー」と「はー」で、美味しい空気を体いっぱいに感じましょう。

 その後は、のびるたいそう、よこのびたいそう、おじぎのたいそう、などなど。いろいろな動きが盛りだくさんに紹介されます。楽しそうなタッピーを見ていると、自然に体が動き出します。

 絵は、和紙を使った貼り絵です。ダイナミックな動きを生き生きと表現しました。文でも、わかりやすく体操の動きを導きます。子どもも大人も元気いっぱいになりますように!(店主)


たいそう だいすき! タッピー

やまざきゆきほ

(監修:村山敏夫)


おむすび舎

2025年3月20日発行

定価:本体1500円+税


#くわのみ書房

2025年7月5日土曜日

【本の紹介】みんなの あのね




 友だち同士でもっと仲良くなれる絵本です。どうやって仲良くなるのかな。

 3人の子どもが集まりました。でも、今日は何をして遊ぶか、なかなか決まりません。

 一人の子どもが「あのね」と話し始めます。自分の嫌なことを素直に伝えると、ほかの子どもも「あのね」と話し始めます。

 みんなの「あのね」で、3人はもっと仲良くなれたようです。子どもたちがこうして成長していくことを頼もしく思います。(店主)


みんなの あのね

はまのゆか


めくるむ

2025年2月発行

価格本体1,800円+税


#くわのみ書房

2025年7月4日金曜日

【本の紹介】クジラがしんだら




 ドキッとするタイトルです。いったいどんな絵本なのでしょう。

 舞台は深くて暗い海の中。アンコウが光を灯し、おびき寄せた小魚を飲み込みました。物語はさらに深い海の底で始まります。

 命を終えたマッコウクジラが暗闇の海底に落ちてきました。クジラの肉のにおいにつられてさまざまな生き物が集まります。死んだクジラの大きな体は、長ければ100年にも渡り、深海の生物の命を支える食料となるのです。

 深い海の壮大な世界を迫力ある絵で表現します。深海生物はユーモラスに描かれ、親しみを感じさせます。(店主)


クジラがしんだら

江口絵里 文

かわさきしゅんいち 絵

藤原義弘(海洋研究開発機構) 監修


童心社

2024年9月1日発行

定価 本体1,800円+税


#くわのみ書房

2025年7月1日火曜日

【本の紹介】キャッチ!




 キャッチボールが始まります。ただのキャッチボールにはおさまらないようです。

 子どもが投げたボールを、パパが「キャッチ!」。でも、パパが投げ返したボールは大暴投。キャッチしたのはお空を飛んでいたカラスでした。

 その後、ボールはどうなるかって? ボールの行き先は誰にも分かりません。ハラハラドキドキで後を追いかけるしかないのです。でも、最後にボールは、おさまるところにおさまります。よかったね!

 テンポのよい場面展開を楽しむ絵本です。大胆な構図と鮮やかな色使いが絵の躍動感を高めています。(店主)


キャッチ!

つしまひろし


ひだまり舎

2025年4月3日発行

定価1700円(税別)


#くわのみ書房

へーん! しーん!(こどものとも年少版2025年9月号)

 ありえないことが起こる絵本です。子どもの変身が止まりません。  扉のページからお話が始まります。「ぼく へんしんするよ」という子どもの顔にひげが生えてきました。  耳が伸びたと思ったら、あっという間に「ねこ」に変身。その後は「すいか」、そして「たこ」。変身はまだまだ続き...