語り継がれてきた民話の絵本です。ダイナミックな構成で伸び伸びと描かれた絵が、私たちを自由な発想に基づく民話の世界に誘います。
昔、門太(もんた)という若者の百姓がいました。働き者の門太は気が弱く、なかなか女房を探す気になれません。でも、草鞋の鼻緒を切って困っていたねえさまを助けると、女房にして一緒に暮らすようになりました。
門太は「おら、ゆうがおの花みてえなにょうぼうをもろうたぞ!」と大喜び。畑仕事をしていても、美しい女房が気になってすぐに家に戻ってしまうほどです。困った女房はまちの絵描きに自分の絵姿を描いてもらうことにしました。門太は畑でその絵姿を見ながら、再び仕事に精を出すようになります。ところが、ある日、にわかに風が大きく巻き起こり、絵姿は殿様の暮らすお城まで飛ばされてしまいます。美しい絵姿を見た殿様は、門太の女房を無理矢理、お城に連れてきてしまいました。
さあ、門太は女房を取り戻すことができるのか。威張りちらしている殿様ですが、どこかヌケていて憎めないところもありそうです。この絵本は1965年に発行された作品を復刊しました。(店主)
えすがたにょうぼう
ぶん・今江祥智
え・赤羽末吉
BL出版
2023年9月20日発行
定価[本体1,500円]+税
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