クリスマス前の今の時期にぴったりのお話です。おばあちゃんを思いやる子どもの優しい気持ちに触れて、心があたたかくなります。生き生きと描かれた絵もお話にとてもよくマッチしています。
ウサギのバーティは森の奥で暮らすおばあちゃんの家に行きました。何かお手伝いをしたいと思っていましたが、今はとくに何もなさそうです。でも、おばあちゃんは、大きくなって窓を塞ぐようになってしまったもみの木を切ってほしいと思っていました。
大きな木を切り倒すことなんて、とてもバーティに頼める仕事ではありません。そこでバーティは、ほかの誰かに頼めないか尋ねて回ることにします。なかなか引き受け手が見つからず、しょんぼりするしかないバーティ。フクロウのおじさんが声をかけてくれました。「にんげんに きってもらうのは どうだろう」。
フクロウのおじさんは、毎年雪が降ると、人間がもみの木を切りに来ることを知っていたのです。さて、どうしたらおばあちゃんの家のもみの木を人間に選んでもらえるのでしょう。バーティは友だちにも助けてもらい、おばあちゃんの願いを叶えます。もちろん、切り取られたもみの木は、人間の家でクリスマスツリーになりました。(店主)
バーティともみのき
きたむらえり 文
アヤ井アキコ 絵
福音館書店
2022年12月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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