誰でも生きづらさを感じるときがあります。死んでしまいたい気持ちになったとき、人はみずうみを見るようになる。この絵本がそう教えてくれます。
自分だけのみずうみです。その水は暗い地底の水路を通って自分のもとにやって来ます。みずうみの冷たい水は身体中、すみずみまでくまなくめぐります。
耳を「ぎゅう」と強く塞いでみると、遠くからやってくる水の音が聞こえます。それは生きている証です。やがて、みずうみがはっきり見えてくるでしょう。水が湧き出し、波紋を作っています。
水辺は明るく、たくさんの人たちが思い思いに過ごしています。死んでしまったら会えなかった人たちです。あなたを見守ってくれる人たちです。この絵本は生きづらさを感じる人に確かな希望を届けます。(店主)
橋の上で
湯本香樹実 文
酒井駒子 絵
河出書房新社
2022年9月30日発行
定価[本体1500円](税別) 1650円(10%税込)
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