静岡県の伊豆半島に伝わる昔話の絵本です。静岡県はみかんの産地。このお話は美味しいみかんが作られるようになった由来を伝えています。
大きく育ったみかんの中で、二人の老人が囲碁を打っていたという設定に驚かされます。この荒唐無稽さは昔話ならでは。二人は仙人のようですが、ユーモラスに描かれていて親しみがわきます。
編集部だよりによると、やはりみかんの産地として名高い和歌山県にも、同じような昔話が伝わっているそうです。細部が異なり、各地のバリエーションを見せていることも昔話ならでは、です。
木版画で描かれた絵は、素朴な色合いですが、深みがあります。もうすぐお正月。こたつに入ってみかんを食べながら楽しみたい絵本です。(店主)
せんにんみかん(こどものとも2019年1月号)
福知伸夫 再話・絵
福音館書店
2019年1月1日発行
本体389円+税
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