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2017年10月15日日曜日

【本の紹介】水辺の番人 カワウ(たくさんのふしぎ2017年11月号)



 カワウは身近な水鳥です。くわのみ書房がある千葉県習志野市の谷津干潟でもよく見かけるお馴染みの鳥です。でも、実はカワウについて知らないことがたくさんありました。
 この写真絵本で初めて知ったことの1つ目は、羽の色が茶色だということ。黒だと思っていたので、驚きました。「味わいのある金茶色のうろこ模様で、光を反射し」と解説されています。表紙の写真を見るとその通りです。とても美しい。2つ目も羽について、油分が少なく、水が浸み込みやすいこと。カワウは水に潜って魚を採りますが、水が馴染む羽で潜りやすくなるそうです。カワウがよく羽を広げている姿をよく見かけますが、これも羽に浸み込んだ水分を乾かすためだそうです。
 3つ目は、カワウはアカエイも食べてしまうこと。アカエイは毒針をもっているとのことですが、刺されないように巧に獲物を振り回して弱らせ、一気に頭から飲み込んでしまうそうです。この絵本には、アカエイのほか、シマイサキ、ウナギ、メイタガレイ、ゴンズイなどを食べるところの写真が掲載されています。「鵜呑みにする」という言葉は、カワウが豪快に魚を飲み込む姿から生まれました。
 この絵本から、カワウに対する作者の深い愛情を感じることができます。作者はカワウのことを、自然豊かな水辺を守る番人と呼び、厚い信頼を寄せているようです。

水辺の番人 カワウ(たくさんのふしぎ2017年11月号)
中川雄三 文・写真

福音館書店
2017年11月1日発行
本体667円+税

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