そもそも「音楽学」という学問分野は、なかなか理解しづらいものと思われます。音楽に関する事柄すべてが研究対象になっているそうで、この本のあとがきでも「かなり裾野が広い学問分野」とされています。その広さゆえに、何をやっているのか、よく分からない。
この本の著者、秋岡陽さんは音楽学を専門とする研究者です。この本でも音楽に関する幅広いトピックを取り上げ、タイトルに「音楽学を愉しむ」とありますが、そのトピックを誰よりもご本人が愉しまれています。
書いている人がこれだけ愉しんでいると、読む人も愉しくなるのは当然の成り行きです。ほとんどクラシック音楽にまつわるトピックですが、堅苦しさのない記述に誰もが引き込まれていきます。インターネットを通じて豊富な資料が閲覧できるようにな理、さらに多くの演奏まで聴くことができるようになったことも紹介されています。すでに多くの人が音楽を多様に享受できる環境は整えられているのです。
秋岡さんは長く大学教授として教鞭をとり、その講義の内容もこの本の中に散りばめられているようです。実は、秋岡さんはくわのみ書房店主の大学時代の先輩。今まで知らなかった秋岡さんの素顔を垣間見たようで、とても興味深く読ませていただきました。(店主)
秋岡教授の音楽学を愉しむ24の扉
秋岡陽
音楽之友社
2024年8月発行
2,420円 (本体2,200円+税)

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