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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2025年8月20日水曜日

へーん! しーん!(こどものとも年少版2025年9月号)




 ありえないことが起こる絵本です。子どもの変身が止まりません。

 扉のページからお話が始まります。「ぼく へんしんするよ」という子どもの顔にひげが生えてきました。

 耳が伸びたと思ったら、あっという間に「ねこ」に変身。その後は「すいか」、そして「たこ」。変身はまだまだ続きます。最後に変身するのは…。

 付録の「絵本のたのしみ」に掲載された「作者のことば」を興味深く読みました。「良いコミュニケーションをとろうとすること」は「その相手に変身すること」という指摘に頷きました。(店主)


へーん! しーん!(こどものとも年少版2025年9月号)

坂井治 さく


福音館書店

2025年9月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

きってみよう(こどものとも0.1.2. 2025年9月号)


 くだものを味わう絵本です。くだものの瑞々しい絵から甘い香りが伝わります。

 くだものはそのままの姿を見ても楽しめますが、食べるために切ってみると、外側と内側の違いに驚かされます。子どもたちも興味津々に見入るはず。

 この絵本では身近なくだものを食べやすく切って見せてくれます。りんごをうさぎに見立てる切り方は定番です。くだものにはそれぞれに相応しい切り方があることに気づきます。

 最後に、大皿に盛ったたくさんのくだものが描かれます。とても華やかで、大人もウキウキしてきます。(店主)


きってみよう(こどものとも0.1.2. 2025年9月号)

松永悠一郎 さく


福音館書店

2025年9月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年8月5日火曜日

【お知らせ】くわのみ書房の夏休み




 くわのみ書房は夏休みをいただきます。8月3日(日)から18日(月)までお休みします。(店主)


#くわのみ書房

2025年8月2日土曜日

【本の紹介】バナナのらんとごん




 バナナのきょうだいの旅を描いた絵本です。フィリピン生まれのバナナが、美味しく食べてもらうことを夢見て日本にやってきます。

 バランゴンバナナのらんとごんは、100人もいるきょうだいの中で一番の仲良しです。都会から離れた山の中で暮らし、ココナッツやカカオ、コーヒー、ピーナッツなど、いろいろな作物と一緒に育ちます。

 立派なバナナになったらんとごんは収穫され、カラバオと呼ばれる水牛で集合場所に運ばれます。さらにトラックに乗って港まで行き、船に乗って日本に到着しました。ところが、「ばきっ」という音とともに、二人は離れ離れにされてしまいます。らんとごんは、これからどうなってしまうのでしょう。

 たくさんの人の助けがあって日本に届けられるバナナ。そんなバナナを少しでも無駄にしたくないですね。そして、食べる人だけでなく、バナナに関わるみんなが幸せになりますように!(店主)


バナナのらんとごん

さく・ちばたかこ

え・かとうえりこ


APLA/らくだ舎出帆室

2024年12月15日発行

定価(本体2500円+税)


#くわのみ書房

2025年7月31日木曜日

【本の紹介】きつねの木




 生きる喜びを感じさせる絵本です。大きな木をよりどころにして成長するこぎつねの姿を描きます。軽やかなタッチと優しい色使いの絵で、自然を生き生きと表現しました。

 2匹のこぎつねが、お家から外に出たいとそわそわしています。おとうさんぎつねは「そろそろいいかもしれないな」。おかあさんぎつねは「そうね、あの木の ところまでね」。こぎつねたちは大きな木を目指して走り出しました。

 こぎつねたちは、うれしくて木の周りを飛び跳ねます。最初に挨拶したのはヒヨドリです。春風が吹くようになり、木にどっさりと赤い実がなりました。ヒヨドリは、こぎつねたちが食べた実の種がうんちと一緒に出てきて、やがて芽を出し、大きな木に育っていくと教えてくれました。こぎつねたちは、それは「ぼくたちの木」で「きつねの木」だとうれしくなりました。

 季節はめぐり、こぎつねたちは、大きな木とそこに集まる生き物たちと一緒に成長します。大人になり、木を離れますが、命を繋がる場は輝きを失うことはありません。(店主)


きつねの木

石川えりこ


講談社

2025年4月15日発行

定価:本体1600円(税別)


#くわのみ書房

2025年7月30日水曜日

【本の紹介】超深海への旅(たくさんのふしぎ2025年8月号)



 少し未来のお話です。203X年7月、最新型の超深海潜水艦「ハデス12000」に乗って、海洋学者のラメール博士と、二人の日本の小学4年生が深い深い超深海の世界を調査する旅に出ます。

 海を潜り始め、深さ200メートルから先になると光が届かず、ほとんど真っ暗になります。そこから「深海」と呼ばれるようになり、さらにもっと深く6000メートルを超えると「超深海」と呼ぶようになるそうです。

 深さ6000メートル以上の海の底で、細長い溝のような場所を「海溝」といいます。ハデス12000は、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝、トンガ海溝を巡ります。日本海溝は最深部の深さが8000メートルを超える世界有数の海溝。そして、マリアナ海溝は世界で最も深く、深さ約10920メートルに達します。超深海にはいったいどんなことが待っているのでしょう。

 今ある日本の有人潜水調査船「しんかい6500」が潜航できるのは、深さ6500メートルまでだそうです。だから、ハデス12000のお話はもう少し先のこと。早く実現できるといいですね。

 そして、残念なことに、日本海溝の深さ6000メートルくらいの場所を調査すると、そこにはプラスチックのゴミ袋やポテトチップスの入っていた袋、空き缶など、人間の出したゴミが見つかるそうです。今、大きな問題となっているマイクロプラスチックも深海に届いているそうです。地球を知ることは、環境問題への関心につながると思います。(店主)


超深海への旅(たくさんのふしぎ2025年8月号)

蒲生俊敬 文

関口シュン 絵


福音館書店

2025年8月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年7月25日金曜日

【本の紹介】みずたまりと いきもの(かがくのとも2025年8月号)




 林の中の小さな水たまりのようすを描いた絵本です。多くの生き物が集まります。

 鳥たちが水浴びにやってきます。猛禽類のオオタカが来ると、小鳥たちは逃げ出すように飛び去っていきました。獣のイノシシも、まるでお風呂のように水に浸かります。体に付いた虫を取ったり、体を冷やしたりするそうです。

 作者の槐真史さんは、自動撮影できるカメラで水たまりを観察して、この絵本の文章を書きました。迫力のある絵は切り絵のようです。絵を描いた福井利佐さんは切り絵アーティストと紹介されています。

 最後に、街の道路の水たまりが紹介されています。ここにも生き物が集まります。生き物たちを惹きつける水たまりは、小さくても一つの世界を形作っているようです。(店主)


みずたまりと いきもの(かがくのとも2025年8月号)

槐真史 ぶん

福井利佐 え


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

へーん! しーん!(こどものとも年少版2025年9月号)

 ありえないことが起こる絵本です。子どもの変身が止まりません。  扉のページからお話が始まります。「ぼく へんしんするよ」という子どもの顔にひげが生えてきました。  耳が伸びたと思ったら、あっという間に「ねこ」に変身。その後は「すいか」、そして「たこ」。変身はまだまだ続き...