千葉市の児童書専門店の会留府で毎月開かれているYA(ヤングアダルト)の読書会に参加しました。今回のテキストは「スコーレNo.4」(宮下奈都、光文社文庫)です。一人の女性が中学生から大学生、そして社会人になってからの時代を含めて成長していく姿を描きます。主人公は骨董品屋を営む家庭で育ち、家族との関係や恋愛、仕事を通じて大人になっていく。美しくみずみずしい文章で描写された主人公は魅力的です。生々しい描写はほとんどなく、リアリティに欠けるように思いますが、読書会でも指摘された「サラッとした感じ」が肌に心地よく感じられる人は多いのではないかと思います。「No.1」から「No.4」の4章で構成する章立てで、各章は別々の時代を独立して描き、それぞれが短編小説として読めるようにもなっています。もちろん全体的に一つの作品として完成しており、とてもよく考えられている構成です。YAといわれている人たちより上の世代におすすめしたいとの意見もありました。この作家の作品で、次は「羊と鋼の森」を読んでみたいと思いました。
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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。
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2017年7月14日金曜日
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