蝶々がたくさん飛んでいます。ほかの虫たちの姿も見えます。春から夏にかけてのある一日。ここはキャベツ畑です。
キャベツの葉の裏側に「へんなもの」が付いています。それが「ぴょこり」。アリがつついたりカメムシがたたいたりするとぴょこりと動くからぴょこりです。どうやらぴょこりは生きているようです。
ぴょこりの正体は蝶々のさなぎでした。朝が来るとぴょこりの背中が割れ、蝶々がゆっくりと出てきます。縮まっていた羽を少しずつ伸ばしていきます。羽が伸びきっても、なかなか動きません。カエルが近くに寄って来ました。ここままではカエルに捕まり、食べられてしまいそう。蝶々はうまく飛び立つことができるのでしょうか。
「ちいさなかがくのとも」の2003年5月号で発表された作品です。作者の甲斐信枝さんを紹介するNHKのドキュメンタリー番組があり、子どものように目を輝かせて生き物を観察する姿に強く心を動かされました。甲斐さんの目を通じて生命が織りなすドラマの面白さが伝わります。
きゃべつばたけのぴょこり
甲斐信枝 さく
福音館書店
本体900円+税
2017年5月20日発行
2017年5月20日発行
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