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2020年1月16日木曜日

【本の紹介】へいわとせんそう




 「へいわのボク」は笑顔で立っています。「せんそうのボク」は膝を抱えてしゃがみ込みます。「へいわのワタシ」の机の上は勉強道具がそろっています。「せんそうのワタシ」の机には何もありません。
 「へいわのチチ」はボクとお馬さんごっこで一緒に遊んでくれました。でも、「せんそうのチチ」は鉄砲を持って走っています。「へいわのハハ」はボクに絵本を読んでくれました。「せんそうのハハ」はボクを何かから必死に守ろうとしています。
 この絵本はシンプルな線画で平和と戦争の違いを描きます。「へいわ」と「せんそう」の違いを並べたページがしばらく続き、やがて「みかた」と「てき」を比べるページに移りました。「みかたのかお」と「てきのかお」、「みかたのあさ」と「てきのあさ」、そして「みかたのあかちゃん」と「てきのあかちゃん」。驚いたことに、そこには何の違いもありません。敵も味方も、同じ地球に住む、同じ人間です。
 同じ人間同士でありながら、私たちはいつまで戦争を繰り返すのでしょう。敵味方に関わらず、そして勝とうが負けようが、よいことなど何もないのが戦争です。(店主)

へいわとせんそう
たにかわしゅんたろう ぶん
Noritake え

ブロンズ新社
2019年3月25日発行
本体1200円+税

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