ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2019年2月22日金曜日

【本の紹介】せん




 タイトルの「せん」とは線のこと。ページをめくると、鉛筆描きの一本の線が、いつのまにか氷上をすべるスケートの跡に変わっています。自由に動き回る子どものスケーターは、自分が何を描いているかさえ知らないようです。
 この絵本の画家はスケーターのように線を残したいと思っているのでしょう。自由にのびやかに、そして生き生きとしている線でなければ描けないものがあることを知っているからです。
 うまくいかないときもあります。くしゃくしゃに丸められた紙。しわだらけの紙の上で子どものスケーターは途方に暮れています。
 でも、子どもはまたすぐスケートの楽しみを見出します。画家は、絵を描くことはやっぱり楽しいとメッセージを送っているのでしょうか。この絵本から、線の魅力をあらためて教えてもらいました。(店主)

せん
スージー・リー

岩波書店
本体1250円+税
2018年10月11日発行

0 件のコメント:

【本の紹介】窓の向こう、その先に

 小学5年生の女の子が主人公のお話です。思春期間近の子どもの心情が瑞々しく描かれます。  主人公の名前は穂乃果。作文の授業で「わたしの一番すきな場所」というテーマが与えられ、穂乃果は自分の家のリビングルームの窓を思い浮かべます。  窓から電車が見えるのです。穂乃果は、いつも同じ時...