今、都会で生活していると、土と触れ合う機会は確実に少なくなりました。この絵本の主人公の子どもも「つちってどこにあったっけ?」と探し始めます。
もらったトマトの苗を鉢植えにするため、土が必要になったのです。この子どもの家には庭がありません。家の周辺の道路はアスファルトで舗装され、土を見ることができる場所は限られています。
道路工事の現場で土を見つけました。でも、鉢植えには適していないようです。公園にも土はたくさんあるのですが、植木鉢えに使えそうな土はありません。
最後に子どもが向かう場所は林です。虫が好きなおにいちゃんと一緒です。林の中は草も大きくて、背の高い木もたくさんあります。そこはダンゴムシやミミズ、そしてもっとちいさな生き物たちが暮らす場所です。子どもはおにいちゃんに教えられながら、林の土がどうやってできるのか知ることになります。土を知ることは、私たちの命の成り立ちを理解することと重なります。(店主)
つちはどこ?(かがくのとも2019年3月号)
坂井治 さく
福音館書店
2019年3月1日発行
本体389円+税
0 件のコメント:
コメントを投稿