ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2019年2月13日水曜日

【本の紹介】くろいの




 正体不明の黒い生き物に導かれ、子どもが別世界で楽しいひとときを過ごします。私たちのすぐそばに、ときの流れが止まった世界があることを、あらためて教えてくれる絵本です。
 子どもがいつも一人で帰る道に、その「くろいの」がいました。子どもは、ただ黙って行きすぎます。次に見かけた場所はバス停でした。次は花屋の店先の棚の上。子どもは思い切って声をかけます。すると、「くろいの」はトコトコ歩き始めました。子どもはついていきます。
 塀の穴をくぐると、花と草のいい匂いがする庭があり、その先に家がありました。お茶で一服したあと、「くろいの」は子どもを押し入れに誘います。もちろん、押し入れは別世界の入り口。そこから屋根裏に上ると、時間が止まったような空間が広がっていました。
 子どもはひとしきり遊び、昼寝もした後、「くろいの」と手をつないでもとの世界に戻ります。子どもはいとも簡単に別世界と行き来できるようです。家までの帰り道、子どもは父親と一緒になります。「くろいの」からもらった花を見せながら、子どもは父親に何を語っているのでしょう。(店主)

くろいの
田中清代 さく

偕成社
本体1400円+税
2018年10月発行

0 件のコメント:

【本の紹介】みんなの かきのみ(ちいさなかがくのとも2025年11月号)

 くわのみ書房の周りでも、多くの柿の木を見ることができます。秋になるとたくさんの実をつけます。  自分で柿の木から実を取って食べたことがある人も少なくないでしょう。柿はとても身近な果物です。  柿の木の高いところの実がそのまま残っているようすをよく見かけます。これは鳥などの生き物...