国際アンデルセン賞画家賞を受賞するなど国際的にも評価の高い絵本作家の赤羽末吉は、長野県の黒姫高原に山荘を持っていました。黒姫は赤羽の作品にどのような影響を与えたのでしょうか。赤羽の三男の妻である赤羽茂乃さんが9月19日、親族ならではのエピソードを交えてお話しされました。
赤羽が黒姫山荘を建てたのは1965年。「かさじぞう」で絵本作家としてデビューを果たしてはいたものの、まだサラリーマン生活が続き、自宅は賃貸住宅だった時代だそうです。黒姫には黒姫山、妙高山の2つの山が並び、赤羽は多くのスケッチを残しました。それらのスケッチは間違いなく赤羽の作品に活かされているようです。また黒姫は多くの絵本作家や児童文学者たちが別荘を持つゆかりの地であり、赤羽とも交流を深めました。赤羽の「絵本よもやま話」(偕成社)には、黒姫における瀬川康雄や若山憲との交流が描かれています。赤羽が山荘に瀬川を招いて過ごしているとき、児童文学作家のいぬいとみこが食事をつくって持ってきたこともあったそうです。いぬいは料理がとても上手だったそうです。黒姫は作家同士がお互いに刺激を与え合うところになりました。
「絵本よもやま話」には宮沢賢治の「水仙月の四日」を絵本にしたときの話も書かれています。赤羽は雪の山に10日ほどいたとき、吹雪の日に山に登り、スケッチはせず、その印象をメモしたそうです。賢治の抽象的な詩の世界を描くには、一度抽象的な文にして、その文から絵にした方がよいと考えたからです。そのメモは濡れてしまい、赤羽は帰ってからスケッチブックの裏表紙に書き写しました。そのメモの写真も見せていただき、赤羽の絵本制作の現場を間近に見る思いでした。
今回の講演は「赤羽末吉と絵本作家たちが愛した風景」と題したツアーの学習会として行われました。このツアーは10月27日から28日の2日間の行程で、黒姫・妙高散策を通して秋の信州を楽しみます。ツアーの問い合わせは富士国際旅行社(電話03-3357-3377)まで。
今回の講演は「赤羽末吉と絵本作家たちが愛した風景」と題したツアーの学習会として行われました。このツアーは10月27日から28日の2日間の行程で、黒姫・妙高散策を通して秋の信州を楽しみます。ツアーの問い合わせは富士国際旅行社(電話03-3357-3377)まで。
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