人はいろいろな場面で手をつなぎます。手をつないだとき、相手の思いが伝わってくるような気がします。手は大切なコミュニケーションの道具の一つです。
手にはその人の歴史が刻まれていると思います。皺がたくさんある手、ごつごつした手、すべすべの手など、手の表情は人それぞれです。大切な人の手はどんな表情をしていたか、ふと思い出すときもあるでしょう。
この絵本には家族一人ひとりの手が丁寧に描かれています。切り絵の手法を使い、和紙の繊維を皺の表現に活かすなど、工夫を凝らした仕上がりです。この絵本が自分の家族の手に思いを馳せるきっかけになるかもしれません。裏表紙には「ぼく」が妹にりんごを手渡す絵があります。兄の優しい気持ちが妹につながります。
編集部だよりをみると、原画を描く際に千葉の津田沼囲碁クラブを取材したそうです。作者が私たちの街の近くまで来ていたとのことで、絵本に対する親しみも増しました。
て(こどものとも年少版2017年10月号)
とのむらせつこ(外村節子) さく
福音館書店
2017年10月1日発行
本体389円+税
本体389円+税
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