絵本作家の出久根育さんによるエッセイ集です。チェコの首都、プラハに暮らす出久根さんが、日々の生活の中で思ったこと、感じたことを瑞々しい感性で描きます。
チェコは日本人にとって、あまり馴染みのある国ではないかもしれません。出久根さんもあとがきで、20年ほど前に初めて訪れたプラハでは、「重々しい空気をただよわせ」、新参者の観光客には「まるで愛想が無く」、「外国人には不親切で意地悪な国」という印象だったと書いています。
でも出久根さんは、その数年後には「突然の決断」でプラハに移り住み、その街が自分の生活風景になったと書くまで溶け込むようになりました。このエッセイ集では、チェコの季節が移り変わるようすや季節ごとの行事、人々との交わり、食べ物などが愛情豊かな文章で綴られています。ところどころに挿入されている描き下ろしのイラストも素敵です。
このエッセイ集は理論社のウェブサイトに「無理のないペース」で連載している「プラハお散歩便り」から生まれました。連載は2006年6月からスタートし、現在も続いています。(店主)
チェコの十二ヵ月-おとぎの国に暮らす-
出久根育
理論社
本体1500円+税
2017年12月発行
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