絵本は女の子がテレビのニュースをみているところから始まります。ニュースは人々がにらみ合って怒っていると伝えています。世界のあちらこちらに、この国から出て行けと大声で怒鳴っている人がいるのです。
今、世界は人々のいがみ合いが絶えません。それがテロやヘイトスピーチといった悲しい事態を引き起こしていることを、多くの人々が知っています。ニュースをみていた女の子はこわくなりました。
でも、こわがっているだけではありません。女の子は「こんなのっていやだ」「こんなせかいはいやだ」と思い、世界に向けて小さな一歩を踏み出します。そんな女の子をやさしく見守るおとうさんとおあかさんにも心を打たれます。
翻訳はとても美しく読みやすい文章になっています。柔らかなタッチの絵にも親しみを感じます。世界の人々がいがみ合わないようにするため、私たちは何をすればよいのでしょう。この絵本は「こころを ひらいて まわりの ひとや いきものたちにも しんせつに」することと教えてくれます。決してむずかしいことではなさそうです。最後のページで女の子は「いっしょに おいでよ」と呼びかけています。読み終えると、ジョン・レノンの「イマジン」のメロディが聞こえてきました。(店主)
いっしょにおいでよ
ホリー・M・マギー 文
パスカル・ルメートル 絵
なかがわちひろ 訳
廣済堂あきつき
本体1500円+税
2018年4月30日発行
1 件のコメント:
早速にご紹介いただきありがとうございます。テロやヘイトスピーチのニュースに怖がる子どもはアメリカだけにいるのではありません。私の娘も小さかった時はそうでした。そんなとき、この絵本の両親のように振る舞えていたらよかったのに……、と思いながら編集しておりました。「イマジン』のメロディとともに、読んでもらえたらうれしいです。
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