鶏を飼育して肉や卵を得るための施設を養鶏場といいます。この絵本は卵を採るための養鶏場の一日を描いています。
この養鶏場では鶏をワイヤーでつくられたケージに入れて飼育するのではなく、放し飼いで育てています。夜明け前のまだ暗いうちから「コケコッコー」という元気な鳴き声が響きます。やがて空が明るくなり、養鶏場の一日が始まります。
朝ごはんのとき、めんどりがご飯を食べ始めても、おんどりはそれを見守るようにしばらく食べるのを待っているそうです。めんどりを守ることはおんどりの役目。卵を産まないおんどりも、きちんと仕事をしています。
めんどりは朝食のあと、何度も水を飲みます。そのあと、地面をつついたり砂浴びをしたり、楽しそうな時間を過ごします。やがて、めんどりは卵を産むため、箱のような部屋に入ります。めんどりが卵を産むのは1日に1個だけです。たくさんの卵がある部屋は別々のめんどりが順番に産んだから。「作者のことば」によると、なぜか鶏に人気のある部屋があるのです。
作者の棚橋さんは実際に養鶏場を営んでいるそうです。鶏のようすがとても詳しく描かれ、興味深く読むことができます。こんな養鶏場で産まれた卵はきっと美味しいに違いありません。(店主)
たまごとにわとり(かがくのとも2018年6月号)
棚橋亜佐子 さく
福音館書店
2018年6月1日発行
本体389円+税
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