くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.13」を8月9日(金)に開催しました。今回も定員いっぱいの4人の方にご参加いただきました。
取り上げた絵本は『ハリス・バーディックの謎』(C・V・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳、河出書房新社)です。最初の発行は1990年。その後、2015年に新装版が発行されています。今回ご紹介したのは新装版の方です。
少し変わった構成の絵本です。ハリス・バーディックと名乗る人物が残した14枚の絵の複製を作者のオールズバーグさんが描き1冊にまとめた、という内容です。バーディック氏によると、14枚の絵はそれぞれ14のお話をもとに描いたそうです。バーディック氏はこれらの絵を児童書専門の出版社に持ち込んだ後、二度と現れることはありませんでした。バーディック氏の行方とともに、14のお話の内容も謎のまま。でも、もとの絵には、それぞれ題名と、ごく簡単な説明文が付いていました。そして、それらを手掛かりに、この絵本を読む人は自分だけのお話を作り上げることができるのです。
実は、この絵本には続編があります。それが『ハリス・バーディック年代記 14のものすごいものがたり』(河出書房新社)。14人の著名な作家が『ハリス・バーディックの謎』の14枚の絵から物語を綴りました。当日は、この本も併せてご紹介しました。(店主)
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