5体のパペット人形と1通の手紙をめぐる物語です。いくつもの物語が重なり合い、読む人を異次元の世界に誘います。パペット人形は人形劇などで使われる操り人形です。
元船長のスペルホーストは天涯孤独な老人です。体調のよい日は町を歩き回ります。ある日、通りのおもちゃ屋で、王様とオオカミと少女と少年とフクロウのパペット人形を見かけます。少女の人形の目の色は、はるか昔にスペルホーストが愛した人と同じすみれ色でした。
スペルホーストは少女の人形を買わずにはいられません。おもちゃ屋は人形を一つだけ売ることはできないというので、5体すべてを手に入れます。スペルホーストは、少女の人形を前に愛する人への手紙を書き、泣きながら眠りにつきました。そして、その翌朝、死んでしまうのです。
人形たちのおしゃべりは、スペルホーストが死ぬ前から始まっていました。持ち主を失った人形たちは、手紙も入ったトランクに放り込まれ、がらくた屋に売られます。その後の物語は、この本を手に取ってから、どうぞたっぷりお楽しみください。(店主)
スペルホーストのパペット人形
ケイト・ディカミロ 作
ジュリー・モースタッド 絵
横山和江 訳
偕成社
2024年8月発行
定価[本体価格1500円+税]
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