人はどうしたら幸せに生きていけるのか。それを考えるきっかけになりそうな絵本です。
物語の舞台は、森の中の小さな村。どこからか流れてくる美しい歌声は村人を幸せな気持ちにさせてくれます。また、森にはピーと呼ばれる精霊が住み、村人からうやまわれていました。
村にはノイという少年が母親と二人で暮らしていました。ある日、見知らぬ男が村に現われ、森の木を切り倒し、かわりに「金もうけの木」を植えろと命令します。ノイは反対しますが、村人は男が配るお金に目を奪われ命令に従い、村のようすが一変します。さらにノイの行為で美しい歌声が聴こえなくなり、村はピーの怒りをかって洪水に見舞われます。洪水の後、村は再生の道をたどりますが、ノイには悲しい出来事が待ち受けていたのです。
作者はラオスで広く伝えられたお話をもとに、この物語をつくりました。大胆なタッチの絵に、不思議な生き物のオブジェの写真を組み込んだコラージュによる絵本です。オブジェはラオスのアーティストによる作品です。(店主)
森の歌がきこえる
田島征三/作絵
ルートマニー・インシシェンマイ/オブジェ
偕成社
2024年7月発行
定価[本体価格1600円+税]
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