この絵本の主人公の「ぼく」には、カルロスという仲良しの友だちがいます。カルロスの家ではたくさんのおもちゃと一緒に遊ぶことができます。
ぼくには、おにいちゃんもいます。とてもすごいおにいちゃんです。何がすごいのかというと、おにいちゃんには真っ暗な夜でも見ることができるというし、自分を囲む大好きな人たちの気持ちの色を見ることもできるといいます。どうやら、おにいちゃんは目が見えないようですが、心の目で見ることができるのです。
でも、おにいちゃんと一緒に暮らすのは少し工夫と思いやりが必要です。例えば、何でも置き場所を決めて、使い終わったら元の場所に戻しておくこと。そうすれば、それがどこにあるか、おにいちゃんはすぐ分かります。おにいちゃんは、記憶力がとてもよいのです。また自分の家では、おもちゃを散らかして遊ぶことはできません。おにいちゃんがつまづかないように、気をつけなければならないからです。
おにいちゃんはお話も上手です。本で読んだお話だけでなく、自分でつくったお話も聞かせてくれます。ぼくにはいい友だちもいるし、すごいおにいちゃんもいる。「いいでしょ、ぼく!」と自慢したくなる気持ちに、誰もが共感するでしょう。(店主)
おにいちゃんとぼく
文 ローレンス・シメル
絵 ファン・カミーロ・マヨルガ
訳 宇野和美
光村教育図書
2019年2月28日発行
本体1200円+税
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