アメリカ人作家の文章を酒井駒子さんが翻訳しました。翻訳絵本といってもよいかもしれませんが、やはり酒井さんが手がけた絵は私たちに懐かしさと親しみを感じさせます。
仲良しの姉妹がいました。姉は妹の世話をよくし、妹も姉を慕っています。それでもある日、妹はふと一人になりたいと思いました。姉の世話にあきあきする感情が湧き出たのです。妹は姉に気づかれないように家を出て、一人草原に向かいます。
一人の時間を楽しむ妹。妹を求めて泣き出す姉。関係が逆転する瞬間を迎えても、お互いの変わらない愛情がそれぞれの成長を支えています。
兄弟姉妹は幼いころからとても濃密な人間関係を結ぶことになります。年齢による上下関係も明確です。でも、やがて一人ひとりの人間として対等な関係になることを受け入れなければなりません。この絵本は、そうした成長の過程を静かに描き、共感を得ています。(店主)
ねえさんといもうと
シャーロット・ゾロトウ 文
酒井駒子 絵・訳
あすなろ書房
2019年4月15日発行
本体1300円+税
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