表紙に見えるのは、地面の穴から顔をのぞかせている不気味な生き物。いったい何者でしょう。その迫力に引き込まれるように、絵本の世界へ導かれます。
子どもたちが公園の砂場で遊んでいます。近くの草むらからひそひそ声が聞こえてきました。「こどもたち、たくさん みずを つかっているね」「きょうも すなどーひーが のめそうだ」
声の主は、土の塊の「つちくれ」です。つちくれたちは、夜になると土の中から這い出して遊び始めます。楽しみにしているのが「すなどーひー」。これは砂場の下の土の中にある「きっさ すなどーひー」の名物です。地上の砂場から滴り落ちた水がすなどーひーになります。大人が好きなコーヒーみたいですね。
子どもたちにとって砂場は身近でお馴染みの場所。でも、そこには不思議な別世界が広がっていました。表紙で顔を見せていたのは「きっさ すなどーひー」のマスターです。晴れた暑い日が続き、マスターは困ってしまいます。雨は降らないし、子どもたちは砂場で水遊びをしなくなったからです。これでは、すなどーひーはできません。でも、マスターによい考えが浮かびます。さて、どうなることでしょう。(店主)
きっさ すなどーひー(こどものとも2019年8月号)
尾崎玄一郎 尾崎由紀奈 作
福音館書店
2019年8月1日発行
本体407円+税
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