おじいちゃん、おぼえてる?
光村教育図書
文 フィル・カミングス
絵 オーウェン・スワン
訳 福本友美子
ジョージーはおとうさんと一緒に、施設にいるおじいちゃんを訪ねます。おじいちゃんは認知症になっているのでしょう。ジョージーがおとうさんに聞きました。「きょうはおじいちゃん、わたしのことわかるかな?」
おじいちゃんは光が差し込む明るい部屋に座っています。新聞が積み重ねられ、高いビルのように並んでいます。ジョージーが新聞を読むおじいちゃんに「こんにちは!」と声をかけると、「はい、こんにちは」と応えてくれました。でも、「ジョージーよ、おぼえてる?」と話しかけた後の会話はちぐはぐしています。ジョージーは何回も「わたしのこと、おぼえてる?」と聞きました。
社会の高齢化に伴い、認知症高齢者が増加しています。身内に認知症の人がいることもめずらしくありません。この絵本に出てくるおじいちゃんも、何でも教えてくれる物知りのおじいちゃんではありません。それでも、ジョージーはおじいちゃんが大好きなようです。
新聞紙で作る帽子が、おじいちゃんとジョージーをつなぐ道具になっています。その新聞の記事を見ると、おじいちゃんがまだ若いころの昔の新聞が丹念に描かれていることが分かります。帽子を作った新聞は、おじいちゃんが生きてきた歴史そのものだったのです。
新聞紙で作る帽子が、おじいちゃんとジョージーをつなぐ道具になっています。その新聞の記事を見ると、おじいちゃんがまだ若いころの昔の新聞が丹念に描かれていることが分かります。帽子を作った新聞は、おじいちゃんが生きてきた歴史そのものだったのです。
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