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2016年9月16日金曜日

【本の紹介】だちょうさんのたまご



だちょうさんのたまご
ひさかたチャイルド

文 谷口國博
絵 村上康成

 だちょうのおかあさんが卵を温めています。おかあさんはすくっと立って卵のようすをみた後、どこかに出かけてしまいました。そのとき、「ぴしっ」と音がして、卵が割れ始めます。あかちゃんが生まれるのです。
 そこに、えりまきとかげさんがやってきました。さあ、たいへん。とりさんは生まれて初めて見たものをおかあさんと思ってしまうのです。今、あかちゃんが生まれたら、えりまきとかげさんをおかあさんと思い込んでしまいます。「だちょうのおかあさん、はやくもどってきてくださーい」
 生まれて初めて見たものをおかあさんと思い込むことを「刷り込み』と言います。ノーベル賞を受賞したコンラート・ローレンツが発見した現象です。
 えりまきとかげさんの後も、やまあらしさんやおさるさんなど、いろいろな動物が次から次へとやってきます。そのたびに「ぴしっ」と卵の割れ目が大きくなっていきます。さあ、だちょうのあかちゃんが卵から出てきたとき、誰がそばにいるのでしょう。はらはらどきどきしながら、繰り返されるお話を楽しみます。

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