素話(ストーリーテリング)で長く愛されてきたお話が絵本になりました。丁寧に描かれたさし絵が、お話の世界をいっそう広げています。
こぐまは鳥になりたいと願っていました。自由に空を飛び回る鳥の姿に誰もがあこがれます。毎日鳥になりたいと考えてばかりいたこぐまは、とうとう自分で「ぼくは とりなんだ」と決めてしまいました。
こぐまは鳥たちに「ぼくも とりなんだよ」と訴えます。でも、鳥たちからは一つひとつ違いを指摘され続けます。その度に、自分なりに解決策を探っていくこぐまが健気です。
こぐまが鳥になれるはずはありません。やがてこぐまは自分自身を再発見していきます。この絵本を読む子どもたちも、そのプロセスに強く共感し、こぐまの成長を喜ぶと思います。このお話は「おはなしのろうそく23」(東京子ども図書館)に収載されています。(店主)
とりになりたかった こぐまのはなし
アデール・ド・レェーエフ 作
中尾幸 訳
アヤ井アキコ 絵
福音館書店
2021年1月1日発行
本体400円+税
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