夏の終わりのある朝、サトばあちゃんが裏の物置からほこりだらけの車輪を取り出しました。布切れでキュッキュと磨くと、車輪は銀色に輝く「ぎんいろぴかぴか」になりました。
その日は夏祭り。サトばあちゃんは軽トラックで村の広場に向かいます。荷台には「ぎんいろぴかぴか」のほか、ござやいすなど、いろいろなものを乗せました。
サトばあちゃんは広場の一番すみっこで「ぎんいろぴかぴか」を組み立てます。茶色のお砂糖のザラメを取り出し、「ぎんいろぴかぴか」の軸の真ん中の小さな穴に少しずつ落としてハンドルをくるくる回します。すると、白いふわふわ が浮かび上がってきました。そう、わたあめです。祭りが終わった次の日の朝、わたあめは空に飛ばされ、秋のひつじぐもになりました。
季節の変わり目を叙情豊かに描く絵本です。私たちは空の色や雲の形の変化でも季節の移り変わりを感じ、その都度、感情を豊かに膨らませているように思います。(店主)
ぎんいろぴかぴか(こどものとも2020年10月号)
黒崎美穂 文
松成真理子 絵
福音館書店
2020年10月1日発行
本体400円+税
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