父親の思い出を描いた絵本です。よじ登っていくほど大きな存在だった父親はまるで山のようでした。「おとうさんやま」です。
足のつま先から登り始めました。おひざの「はげちょろいわ」で一休み。おへそは落とし穴です。気をつけて進みましょう。おやまのてっぺんはぼさぼさです。髪を整髪料で固めていないからです。今日は日曜日でした。
この絵本の折り込みふろくに掲載されている「作者のことば」に胸が詰まりました。作者は父親とは物心がついてから和やかに会話したという記憶もなかったといいます。でも「憎っくき父」が亡くなったとき、ずいぶん涙を流し、「なんで? というくらい悲しくなった」という作者。時を経て、ふと父親との記憶がよみがえりました。
この絵本にはそんな父親との思い出が描かれています。日曜日が天国だったころの思い出でした。(店主)
おとうさんやま(こどものとも年中向き2019年6月号)
川本ゆう子 作
福音館書店
2019年6月1日発行
本体407円+税
0 件のコメント:
コメントを投稿