この絵本の舞台は「シカのしかいいん」です。やさしそうな歯医者さんは鹿のシカ先生です。シカ先生のところに動物の子どもたちがやってきました。幼稚園のみんなが歯磨きの練習に来たのです。
チンパンジーのちょちょまるくんが、なぜかちょっと心配そうにしています。なかなか歯を磨く練習を始めないちょちょまるくんですが、歯科衛生士のアリクイさんに注意されて仕方なく歯ブラシを動かし始めました。すると、下の前歯がぽろっと抜けてしまいます。
大泣きするちょちょまるくん。最近、歯がぐらぐらして虫歯じゃないかと心配していたのです。でも、シカ先生が教えてくれました。「これから おとなの はが はえてくるんじゃよ。おめでとう!」
子どもの歯はいったん抜けて大人の歯に生え変わります。歯が抜けた子どもは、ちょっとおマヌケな顔になってもどこか誇らしげ。これから大人になることへの希望と自信に満ち溢れています。ちょちょまるくんも自慢げに歯の抜けたあとを友だちのみんなに見せてあげました。(店主)
シカのはいしゃさん(こどものとも2019年6月号)
宮島千夏 作
福音館書店
2019年6月1日発行
本体407円+税
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