テントウムシを料理用のはかりに乗せても、体重は測れません。テントウムシはとても軽いから、デジタル式の目盛りは0を表示したままです。
軽すぎるものの重さはどうやったら測れるのでしょう。この絵本をつくった吉谷昭憲さんは、昔、化学会社に勤めていたときに使っていた「電子てんびん」という特別なはかりのことを思い出しました。電子てんびんは1万分の1グラム、つまり0.0001gの重さから測ることができます。
吉谷さんは電子てんびんを使って昆虫の体重測定をしてみようと思いつきます。まずはテントウムシから。少し工夫をして、テントウムシの体重を測ることに成功しました。その結果は0.05g! 1円玉の20分の1です。切手1枚分とほぼ同じでした。
吉谷さんは面白くなって、いろいろな昆虫の体重を測定しています。ヤブカはテントウムシよりももっと軽く、0.0014gでした。蝶では種類によって大きな違いがあり、それぞれの生態と関係がありそうです。同じ種類でもオスとメスでずいぶん違うこともあります。カブトムシは幼虫から蛹、そして成虫へに変化すると、体重は減っていきます。完全変態する昆虫は、ほとんどの種類が成虫になると体重は軽くなるそうです。昆虫の体重測定はとても楽しそうです。(店主)
昆虫の体重測定
吉谷昭憲 文・絵
福音館書店
本体1300円+税
2018年6月10日発行
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