スリランカの昔話の絵本です。王さまは三人の王子に無理難題の願いを告げ、それを叶えた者を次の王さまにすると宣言します。王さまの願いは夢に見た世にも美しい銀の木を探し出すこと。三人の王子たちはそろって旅に出ます。
旅に出て大活躍をするのは、三人の中で一番若く、一番賢い末の王子です。ジャングルの隠者と出会い、教えを乞うて旅を続けます。やがて三人の美しい乙女と出会い、銀の木を見ることもできました。でも、それはあっという間に消えてしまい、持ち帰ることはできなかったのです。
昔話らしい荒唐無稽なお話の展開です。絵は素朴さを感じさせながら力強く描かれ、お話の流れをを支えています。一方で、読者の想像力がお話のイメージを膨らませるように仕掛けられているように思います。だから、この絵本の魅力も膨らんでいくのでしょう。
最後は昔話ならではのハッピーエンド。華やかな絵から余韻を残す絵に移り、物語が終わります。(店主)
ふしぎな銀の木
シビル・ウェッタシンハ 再話・絵
松岡享子 市川雅子 訳
福音館書店
本体1400円+税
2017年6月15日発行
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