「秘密の空想菓子店」というタイトルですが、この絵本には実際に大勢の人が訪れるお店で作った本物のお菓子がたくさん登場します。本物だけど、ちょっと「おかしなお菓子」です。どんなお菓子が出てくるのでしょう。わくわくしながら、ページをめくります。
最初に紹介されるお菓子は「ゆめくいようせい」。枕元に忍ばせておけば、怖い夢を食べてくれるそうです。黒い顔にギョロリとした目と大きな牙が描かれたクッキーです。妖精といいながら、ちょっと怖そう。
まだまだ、あります。「とけないソフトクリーム」や「うちゅうじんのヒトシ」「とうめいにんげんになれるジュース」など、名前を聞いただけでは首を傾げたり吹き出してしまうような不思議なお菓子が続々と出てきます。
作者のSaoriさんは、「おかしさん」というお店ですべて手作りのお菓子を提供しています。お店のコンセプトは「空想菓子店」。架空の人物やシチュエーションをイメージして名前を付けた「クスッと笑えるお菓子」を取り揃えています。この絵本は、そんな「おかしさん」の不思議なお菓子の世界の一端をそのまま表現しています。エネルギッシュなSaoriさんのお菓子への熱い思いに満ち溢れた絵本です。(店主)
秘密の空想菓子店
おかしさん×Saori
岩崎書店
本体1600円+税
2018年6月30日発行
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