各地で行われる祭りを作者が実際に取材して作った力作の絵本です。とくに子どもたちが活躍する祭りを取り上げたそうです。いきいきと描かれた子どもたちの姿はとても頼もしく見えます。
全国9か所の祭りが取り上げられています。春夏秋冬の違いもあり、その内容はさまざまです。子どもたちにとっても、自分自身の祭りとして貴重な体験になっていると思います。
紹介されているのは日本の伝統的な祭りだけでありません。神奈川県川崎市の「さくらもとプンムルノリ」は、日本や朝鮮半島、中国、東南アジア、南米など、いろいろな国にルーツを持つ人が住む街の商店街で行われる祭りです。この祭りでは1990年から、韓国・朝鮮で伝えられる踊りのプンムルノリが披露されているそうです。作者のことばには「様々なお祭りを取りあげることで、今の時代を伝えられたのではと思っています」と書かれています。素晴らしいアイデアです。
それれぞれの祭りに一匹の猫を登場させたことも楽しいアイデアです。どこにいるか探してみてください。この猫は作者の分身でしょうか。確かに猫を通じて、この絵本で紹介された祭りが一つにつながったように思います。(店主)
絵で読む 子どもと祭り(たくさんのふしぎ2018年7月号)
西村繁男 作
福音館書店
2018年7月1日発行
本体667円+税
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