くるみの中には何があるのだろう? ふとした疑問から生まれた想像の世界を楽しみましょう。あたたかみも感じさせるしっとりとした絵が読む人を引き込みます。
くるみをゆらしてみて「シャリン チリン」といい音がしたら、中には小さな宝物が詰まっていました。りすが隠したくるみだったら、きっとそれは小さな裁縫箱。小さなドアがついていたら、それは小さなおじいさんとおばあさんの家でした。「カラーン カラーン」と時を知らせる鐘の音も聞こえてきます。そこは小さな街でした。冬になると、街にはしんしんと雪が積もります。絵本に描かれたくるみの中の世界はどこまでも広がります。
広がっていくのは想像の世界だけではありません。くるみを土に埋めれば、芽を出し大きくなり、花をつけて実がなります。実から姿を現すのはたくさんの新しいくるみです。
新しいくるみを見ながら、「てに のせて みみを すませて」と作者がメッセージを送ります。小さなくるみの中に何があるのか、見つけにいきましょう。(店主)
くるみのなかには
たかおゆうこ
講談社
本体1400円+税
2017年10月18日発行
2017年10月18日発行
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