お話も絵も素敵なクリスマスの絵本です。装丁も贅沢に仕上げられており、手にしたときからワクワクする気持ちが高まります。
絵本の主人公はテオという男の子です。クリスマス・イブの夜なのに、おとうさんとおかあさんは仕事からまだ帰ってきません。ベビーシッターは台所のテーブルで居眠りをしています。
テオは窓の外に目をやり、流れ星に願いごとをしました。「だれか、いっしょにいてください。ひとりぼっちじゃなく、いられますように」。願いが通じたかのように、クリスマスツリーの飾りたちが動き出しました。テオと一緒にいるために、ブリキの兵隊と天使、コマドリ、木馬が目覚めたのです。一夜の不思議な冒険が始まります。
文章は長くても、飽きることなく読み進められるお話です。テオのために目覚めた飾りたちですが、テオも飾りたちのためにしてあげることがありました。これはテオの成長の物語でもあります。最後はおとうさん、おかあさんと楽しいクリスマスの朝を迎えます。読み終えた後、誰もが幸せな気持ちで絵本を閉じることができるでしょう。(店主)
テオのふしぎなクリスマス
キャサリン・ランデル 文
エミリー・サットン 絵
越智典子 訳
ゴブリン書房
本体1500円+税
2017年11月発行
2017年11月発行
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