マラソン大会がにぎやかに始まります。主人公の「うさお」と「かめきち」がどこにいるのかわからないくらい大勢の参加者が描かれています。その中から二人を探すことは、この絵本の大きな楽しみの一つです。
イソップ寓話にも入っている昔話の「うさぎとかめ」を下地にしたお話です。マラソン大会では、うさおは悪どいことをして何とか優勝しようとしますが、最後は他の人もにやさしいかめきちが勝利を収めました。めでたしめでたし。
マラソンコースが奇想天外です。街中からスタートして、里山に入ると富士山らしき山も見えてきます。熱い砂漠から大きな川を渡り、そして森を抜けると火の国があり、次の雪の坂道を過ぎてゴールとなりました。
大勢の人が登場する場面は、一人ひとりがきちんと描き分けられていて圧巻です。そのページには、たくさんの物語が詰まっていそうです。きっとこの絵本を読むたびに、違った物語が飛び出してくるでしょう。
うさおとかめきちのマラソンたいかい(こどものとも2017年12月号)
中垣ゆたか 作
福音館書店
2017年12月1日発行
本体389円+税
本体389円+税
0 件のコメント:
コメントを投稿