昔話の「さるかに合戦」でお馴染みのお話です。繰り返しを多用したリズミカルな文章が楽しく、最後まで飽きさせません。
絵の迫力が読む人を物語の世界に引き込みます。敵役のさるが憎々しげに描かれ、かにの可愛らしさと対比して感情移入がしやすいように工夫されています。一方で、ほかのキャラクターの個性は抑え気味で、あくまでストーリーの面白さを重視した絵本の構成になっていると思います。文章と絵が見事に響き合い、奥行きの深さを感じさせます。
この絵本は1974年に別の出版社から発行された作品の復刊です。復刊され、こうして手に取ることができたことを素直に喜びたいと思います。
赤羽末吉の別の作品が、同じ出版社から「赤羽末吉のむかし話絵本」として続いて発刊される予定もあるようです。そちらも楽しみです。(店主)
さるとかに
神沢利子 文
赤羽末吉 絵
BL出版
本体1500円+税
2017年10月1日発行
2017年10月1日発行
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