アフリカのタンザニアから絵本作家のジョン・キラカさんが来日され、大阪や京都、そして東京で講演会やワークショップなどを精力的に行なっています。5日には国分寺市の都立殿ヶ谷戸庭園内の紅葉亭で「ジョン・キラカさんを囲む語りの会」が開かれました。キラカさんの最新作の「ごちそうの木」(西村書店)が発刊されたばかりのタイミングに、作者ご本人によるこの絵本のストーリーテリングも楽しませていただきました。
キラカさんの絵本はタンザニアで生まれたティンガティンガ・アートと呼ばれる手法で描かれています。のびのびとした色鮮やかな表現が大きな特長です。ティンガティンガ・アートの絵は旅行者のお土産として制作されることが多く、「ごちそうの木」のように絵本として発刊されることはまれだそうです。
キラカさんはタンザニアの昔話を収集するプロジェクトにも取り組んでいます。「ごちそうの木」のあとがきには、この絵本のもとになった昔話をキラカさんが記録したのは2007年7月2日だったと書かれています。タンザニアではフィパ語という言葉が使われている地域があります。キラカさんの母語でもあります。キラカさんはフィパ語で「ごちそうの木」を記録し、それをタンザニアの公用語であるスワヒリ語と英語にしています。日本で発刊された絵本は英語版がベースになっています。翻訳はさくまゆみこさんが担当され、「語る会」もキラカさんのお話の聞き手としてスムーズに進行していただきました。
キラカさんは収集した昔話を後世に残すため、ストーリーテリングで若い世代に伝えようとしています。今回の「語りの会」で、キラカさんはスワヒリ語で「ごちそうの木」のストーリーテリングを聞かせてくれました。絵本のページをめくりながら、大きな身振り手振りで表情豊かに語るキラカさんのお話は、言葉を理解できなくても十分楽しむことができました。終了後は場所を「絵本とおはなしの店 おばあさんの知恵袋」に移し、キラカさんとさくまさんのサイン会も行われました。
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