ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2017年8月6日日曜日

【本の紹介】アリになった数学者(たくさんのふしぎ2017年9月号)



 寓話のような数学のお話です。数学者の「ぼく」がアリになったところからお話が始まります。数学者のアリは、数学者が研究している「数」や「図形」が実際には存在していないことを教えてくれます。数や図形は頭の中だけで考えられているイメージに過ぎないのです。
 数学者のアリは、普通のアリが数を理解していないことに気づきました。仲間のアリは、美味しそうな実がたくさんあっても、いくつあるのかまったく気にかけません。そこにある実を巣に運び込もうとするだけです。
 でも、翅を持ったあでやかな姿のアリは数がわかるようです。数学者のアリは驚きました。しかも人間の数とは違い、色や輝きや動きがある生きた数だといいます。人間が知っている数とは、全く違う種類の数でした。アリには人間の数がわからない。でも、人間もアリの数がわからないのです。
 数学者のアリは、小さなアリになって初めて、大きな数学の宇宙の入り口にたどり着いたことを自覚します。不思議な寓話に導かれ、私たちも数学の宇宙の大きさに気づきます。文章を書いた森田真生さんは在野の数学研究者、絵を描いた脇坂克二さんはテキスタイルデザイナー。ちょっとむずかしいお話ですが、見開きのページに描かれた絵が目を楽しませてくれるでしょう。

アリになった数学者(たくさんのふしぎ2017年9月号)
森田真生・文
脇坂克二・絵

福音館書店
2017年9月1日発行
本体667円+税

0 件のコメント:

【本の紹介】とって

 選んで「とって」と呼びかけてくる絵本です。「とって」のあとのお楽しみは何でしょう。  扉のページにはスプーンとフォークが描かれ、「すぷーん とって」と呼びかけられます。さあ、スプーンで甘くて美味しいすいかを食べましょう。  小さい子どもの身近にあるものをシンプルに表現しました。...