奇想天外なお話の絵本です。お月さんでシャーベットを作ってしまいます。絵と写真を組み合わせた手法の表現は、奥行きのある世界を見事に描き出しています。関西弁の文章も親しみが湧きます。
それは暑くて寝苦しい夏の晩のこと。マンションに暮らすみんなは、窓を閉めてエアコンや扇風機をフル回転させています。おやおや、まんまるお月さんがあまりの暑さに溶け出してきました。「ぽた…ぽた…ぽた」
しっかり者の班長のおばあちゃんが、お月さまのしずくを大きなたらいで受け止めました。「これで なにか つくれるやろか?」と考えたおばあちゃんは、お月さんのしずくをシャーベットの型に流して冷凍庫に入れました。
まだまだ暑い夏の晩。お月さんのシャーベットを食べると、不思議なことに暑さがすーっと飛んで行きます。マンションに暮らすみんなはその日の夜、エアコンも扇風機も消して、窓を開けて眠りにつきました。地球の温暖化が進む今、お月さんもホントに溶けてしまうのでしょうか!? さて、お話はまだまだ続きます。次は何が起こるのでしょう。(店主)
お月さんのシャーベット
ペク・ヒナ 作
長谷川義史 訳
ブロンズ新社
2021年6月25日発行
定価:本体1400円+税
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