「母の友」8月号の特集のテーマは「平和のためにできること」です。4人のインタビューや寄稿の記事を掲載し、あらためて平和について考えるきっかけにしてほしいと呼びかけています。
絵本作家の五味太郎さんのインタビュー記事があります。五味さんは「平和と戦争」についてどう考えるかという問いかけに対し、まず平和がどういう状態か集中的に考えていくべきと指摘しています。「今も、日本人は、中国人や韓国人と憎しみあってなんかない」、そして仕事でアジア各国を訪れた体験をもとに「みんな仲がいい」と語っています。
では、今ある危機はどこにあるのでしょう。五味さんは「儲かるから」という「簡単な」理由で「戦争をどうしてもしたい連中がいる」と看破します。そして、この構造を変えたり解体したり、あるいは止めたりチェックしたりすることを気にかければ、その方法も編み出せるはずと述べています。
五味さんは、そのためには私たち一人ひとりが社会のありようを「人任せ」にしないこと、人任せにしないためには「自分を知る」ことの必要性を指摘します。子どもと本の関わりも、その延長線上にあるはずと教えてくれているように思います。(店主)
「母の友」2018年8月号
福音館書店
本体505円
2018年8月1日発行
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